研究課題/領域番号 |
62870012
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 大分医科大学 |
研究代表者 |
桑野 信彦 大分医科大学, 医学部, 教授 (80037431)
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研究分担者 |
河野 公俊 大分医科大学, 医学部, 助教授 (00153479)
高木 良三郎 大分医科大学, 医学部, 教授 (90038620)
小野 真弓 大分医科大学, 医学部, 助手 (80128347)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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キーワード | 低比重リポ蛋白 / 低比重リポ蛋白受容体 / イント(int)遺伝子 / 高コレステロ-ル血症 / コレステロ-ル代謝異常 / 0ー糖鎖不全 / 体細胞遺伝変異 / 遺伝生化学 |
研究概要 |
低比重リポ蛋白(LDL)応答が高コレステロ-ル血症の発症と密接に関連している。我々は培養系哺乳類細胞からコレステロ-ル代謝が異常を示す高コレステロ-ル血症モデル細胞株を単離解析を進め新しいタイプの疾病原因を提唱した。すなわちハムスタ-細胞から単離したコンパクチン耐性株ならびにモネンシン耐性株について、 1.LDL結合能の低下とコレステロ-ル代謝の著明な上昇を示す。 2.LDL受容体の成熟過程が欠損変異を示し、約5,000ダルトンの成熟型の分子量の減少が観察された。 3.LDL受容体のNー糖鎖とOー糖鎖不全をおこしている。 4.ヒトLDL受容体cDNAを導入発現させた変異株において、導入受容体は明かな0ー糖鎖不全をおこしている。 5.両変異株のLDL受容体変異は、細胞融合の結果から劣性変異であり新しい遺伝子intの変異であることを明らかにした。 6.ジョ-ジア大学のCummingsやMerkle博士らとの協同研究の結果、最近int変異による0ー糖鎖不全がLDL受容体のLDL結合ドメイン部位に生じていることを明らかにした。 7.我々のint遺伝子の変異はゴルジ装置におけるLDL受容体成熟の欠損変異であることが推察される。 以上の結果から、0ー糖鎖のLDL受容体の機能に及ぼす役割についての理解を深めるとともに、int変異によってひきおこされたヒト高コレステロ-ル血症の症例を見出すことは、今後の課題である。さらにヒトのint遺伝子を単離することを現在進行させている。
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