研究課題/領域番号 |
62870021
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
志田 壽利 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (00144395)
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研究分担者 |
森田 迪夫 千葉血清研究所, 主任研究員
舟橋 真一 東亜燃料工業, 研究員
日沼 頼夫 シオノギ医科学研究所, 所長
速水 正憲 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (40072946)
畑中 正一 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (30142300)
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キーワード | 成人T細胞白血病 / 組換えワクシニアウイルス / ワクチン |
研究概要 |
表題の目的を達成するステップとして、本年度は以下の実績を挙げた。 (1)外来抗原遺伝子のより効率的な発現のために、牛痘のA型封入体(ATI)遺伝子のプロモーターとp7.5プロモーターの前期発現領域を数個連結した。この合成プロモーターの下流にクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)遺伝子を連結して、活性を測定したところ、ワクシニアウイルス(vv)感染の前期後期共に従来のプロモーターよりも数倍強い活性が得られた。 (2)カニクイザルに、envを発現する組換えVV(RVV)を接種して免疫し、HTLV-I産生細胞(MT-2)を攻撃接種することによって、感染防御能を調べた。その結果、感染防御には、抗env抗体価だけではなく、T細胞のプライミングが必要であることが判明した。 (3)HTLV-Iの各成分に対する細胞性免疫を調べるため、ラットとウサギの近交系、ヒトのHTLV-Iキャリアーを用いた。ラットとウサギの場合は、そのリンパ球をMT-2とcocultureすることによって、HTLV-I感染細胞を樹立した。これらのラット、ウサギリンパ球は、HTLV-Iの各成分を産生していた。又、ウサギではHTLV-I粒子を放出していた。このラット細胞接種数週間後に脾臓よりリンパ球を摘出し、in vitro刺激を行なった。この方法で調製したキラーT細胞を、env,gag,pXをそれぞれ発現するRVV感染細胞を標的にして作用させた。その結果、gagとpXがCTLの標的になっていることが分った。
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