研究課題/領域番号 |
62870024
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
斎藤 和雄 北海道大学, 医学部, 教授 (80000917)
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研究分担者 |
斎藤 健 北海道大学, 医学部, 助手 (40153811)
細川 敏幸 北海道大学, 医学部, 助手 (00157025)
佐藤 洋 北海道大学, 医学部, 助教授 (40125571)
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キーワード | 疲労 / ストレス / VRT / フリッカー値 / ポケットフリッカー |
研究概要 |
視覚系および手腕系も介した中枢性及び末消性疲労を測定するために新たに考案されたVRTとポケットフリッカー(以下、PCFF)に関する基礎的研究として、年齢による測定値の差異を検討した。従来の装置によるフリッカー値(以下、CFF)には年齢による変化が報告されているが、VRTとPCFFでは報告されていない。 被験者は中高年女子10名と若年女子10名であり、いずれもVRTとPCFF使用の経験はない健常者である。中高年グループの平均年齢は48.1才(42〜54)、若年女子グループの平均年齢は19.5才(18〜20)であった。日内変化の影響を除外するために実験はすべて午後1時から行い、習熟効果を除くために10回の練習を行った後に測定を実施した。測定装置としてはVRT、PCFF、およびCFF(柴田科学工業、FL-10)を用いた。 以上の実験についてt-testによる平均値の差の検定を行ったところ、VRT値(VRT-MおよびVRT-D)には2グループ間に有意な変動は認められなかった。しかし、初めてVRTの測定を行った場合には有意な変動が認められ(VRT-MおよびVRT-D)には2グループ間に有意な変動が認められ(VRT-MおよびVRT-DともにP〈0.01)、練習を重ねるとともに年齢による差異が減少することが示唆された。同様な検定により、PCFF値(P〈0.01)およびCFF値(P〈0.05)はいずれも2グループ間に有意な差が認められ、その平均値は若年者の方が中高年者に比較して、PCFFでは4.51Hz、CFFでは2.02Hz高い値を示した。 これらの成績より次の知見が得られた。(1)VRT値の年齢による差異は認められない。ただし、十分な事前の練習が必要である。(2)過去の研究で知られているようにPCFF値ならびにCFF値は年齢による差異があり、加齢とともに値は減少することが示された。したがってVRTの測定においては十分な練習が、PCFFの測定に際しては年齢による差異を考慮することが必要であることが明かとなった。
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