本研究は、VRT装置およびポケットフリッカ-について、基礎的な検討を行うことを目的とした。すなわち、初年度はVTR装置の測定における室内照度と画面輝度との影響、ポケットフリッカ-測定時の室内照度および目と視標間の距離の影響を、2年度は年齢による測定値の差異についての検討を行った。最終年度はこれらの成績を総括を行った。その結果、以下のことが明かとなった。 1.VRT値は輝度による有意な変動を示すが、照度による変動は認められない。したがって、VRT値は輝度を一定にすれば、周囲の照度が変化しても、その影響を受けないことが明かになった。 2.ポケットフリッカ-によるCFF値は、目と視標との距離により有意な変動が認められたが、照度による変動は認められなかった。これにより、ポケットフリッカ-によるCFF値は輝度を一定にしておけば、周囲の照度が変化しても、その影響を受けないことが明かとなった。 3.ポケットフリッカ-によるCFF値は中高年女子のほうが若年女子よりも有意に低いことが認められ、年齢による測定値の違いを考慮する必要のあることが示唆された。 4.VRT値は十分に練習をさせた後、測定すれば、年齢差は生じないことが明かとなった。
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