研究課題/領域番号 |
62870028
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公衆衛生学
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
角田 文男 岩手医科大学, 医学部衛生学公衆衛生学講座, 教授 (80048256)
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研究分担者 |
平野 三千代 岩手医科大学, 医学部臨床検査医学講座, 講師 (50048435)
永山 恵子 岩手医科大学, 医学部衛生学公衆衛生学講座, 助手 (30117676)
佐藤 徹 岩手医科大学, 医学部衛生学公衆衛生学講座, 助手 (80137497)
三田 光男 岩手医科大学, 医学部衛生学公衆衛生学講座, 講師 (20157530)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | 換気力学 / 差動型ボディプレチスモグラフィー / 気道コンダクタンス / 適応調和振動解析法 / 呼吸器の伝達特性 |
研究概要 |
本研究は小児の診断に必要な非侵襲型肺機能検査装置を試作実用化し、さらに周波数解析法を導入して有効な換気力学指標を導出することにある。本装置は低差圧のFleisch typeの呼吸流速計と、ボディボックスの内圧測定の基準となるボトル設計とを主な特徴とし、幼小児が長時間の検査に過負荷なく受検できるように製作した。当初、アグラワルの方法に基づく気道コンダクタンス(sーGaw)測定装置を主目標としたが、周波数特性を中心とした動作試験と信号処理法を改良した。その結果、(1)胸廓内のガス圧縮は、呼吸サイクルの1時点で起こるのではなく、胸廓容積の周波数成分に依存すること。(2)sーGaw測定法が気道抵抗の変化を反映する一方で、呼吸運動パターンの違いもよく反映すること。(3)従来のオシレーション法の共振点より低い周波数帯域では、インピーダンスの変化が主に呼吸流速の周波数変化によることが判明した。そこで、本法を胸廓容積変化に対するガス容積の周波数特性を決定する装置に改良した。 本装置では、検出信号をスペクトル分解し、成分波ごとに補正を行ない、胸廓容積変化に対する呼吸器の伝達特性を得るため、呼吸運動のパターンの違いによる変化を受けにくく、自然呼吸下の測定で客観的な測定も可能となった。モデル実験結果では、抵抗測定感度はsーGawと同程度であり、また本法のデータからsーGaw測定波形およびオシレーション法の周波数特性をも再現し得た。本法の測定システムはsーGawのそれとは異なり、ボックス内外との間で呼吸がなされるため、流速計に付加する空調流速は極めて少なくでき、より一層長時間におよぶ検査が可能となり、さらに、気道過敏性試験に必要な薬物投与が容易となった。
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