研究課題/領域番号 |
62870035
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
田中 元直 東北大学, 抗酸菌病研究所, 教授 (40006094)
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研究分担者 |
櫛引 淳一 東北大学, 工学部, 助教授 (50108578)
中鉢 憲賢 東北大学, 工学部, 教授 (20006224)
仁田 新一 東北大学, 抗酸菌病研究所, 助教授 (90101138)
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キーワード | 超音波スペクトロスコピー / 超音波組織性状診断 / 超音波顕微鏡 / 生体組織音響特性 / 周波数依存特性 |
研究概要 |
本研究は摘出組織および還流生組織等生体組織を対象としてその音響特性を数十MHzから数百MHzに及ぶ広い帯域について計測できる超音波スペクトロスコピーシステムを研究開発し生体組織のミクロレベルとマクロレベルとにおける音響特性相互の関連性および病的組織を含む生体組織の3次元構造がもつ音響学的特異性と音波伝搬様態に及ぼす影響を解明できるようにすることを主目的とした。本年度においては、前年度に試作し基礎実験を実施した超音波スペクトロスコピーシステムについて実験結果を本に性能、操作性、計測精度について次の如き諸点を改良し完成を計った。(1)広帯域のスペクトロスコピーを実時間的に行なうため振動子は周波数25MHzと50MHzの凹面および50、100、200、500MHzの平面の6個を用い、その切換えは電子的に行い位置設定も自動的に行った。(2)超音波周波数は20MHz〜500MHzの範囲を0.1MHz Stepで連続的に0.1秒の間に切換え掃引せしめほぼ実時間的な周波数依存減衰の測定を可能にした。(3)振動子台および試料固定台はパルスモータ駆動とし、X軸とY軸方向は各1μmZ軸方向は0.25μmの位置検出精度とした。(4)送信波をバースト発振が可能なものとし、その幅は0.2μs〜1.5μs可変とした。これにより水中で約0.3mm〜2.3mmの距離分解能を可能にした。(5)GPIBインターフェースを介して既設の画像処理計測システムと接続できるようにし、自動制御を可能にした。ついで心筋梗塞例の摘出心筋組織を用いて計測実験を行なった。その結果1)壊死心筋と線維組織の混在部では反射波レベルは健常心筋部より大となる。2)瘢痕部では伝搬減衰が健常部より大となる。3)異常組織の混在部では周波数依存特性は非直線性を示す。この現象は散乱と干渉によるもので3次元的異常構造の特徴の一つと推定された等の新知見を得た。以上の如く本年度の研究でシステムの完成が確認されスペクトロスコピーの有用性も証明でき所期の成果が得られたものと判断された。
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