以下のような研究を行った。 (1)われわれの発案した多探触子(発振子・多受信子)を成人について測定の検討を行った。Longitudinal directionにおいては超音波角度が10度変化しても問題は生じなかった。Transeverse directionにおいては短冊状に並んだ振動子は移動励振法を採用することにより細い動脈からの信号も良好な感度でクロスさせることに成功した。以上は血流方向でのずれを少なくするとともに、角度影響も少なくさせることに成功したといえる。 (2)以上の結果をふまえて、乳幼児などの症例を含めて各種の波状について安定したデーターが得られるかの検討を行った。残念ながら、その安定性はかならずしも期待どおりには行かなかった。 (3)以上の結果からさらにいろいろな条件下でも安定した能力をもつ多探触子への改良を加えた。 (4)現在、この改良型によって、正常と異常状態にいる新生児、未熟児について検討を行っている。従来からの超音波ドプラ血流計による脳血流動態の計測を在胎週数ごとに計測し、この試作モニター装置による血流動態計測値との比較である。少なくとも測定は可能となっている。
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