研究課題/領域番号 |
62870047
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 自治医科大学 (1988-1989) 東京大学 (1987) |
研究代表者 |
金澤 康徳 自治医科大学, 医学部, 教授 (10010399)
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研究分担者 |
野田 光彦 東京大学, 医学部附属病院, 医員
岡 芳和 東京大学, 医学部, 助手 (70175256)
米田 嘉重郎 東京医科大学, 実験動物センター, 助教授 (90074533)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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キーワード | 糖尿病 / SHR / STZ / 細小血管症 / 糖尿病性腎症 / 血管径の不整 / 基底膜 / メザンギウム |
研究概要 |
本研究は糖尿病細小血管合併症研究の良い動物モデルが無いことからそれを開発することを目的として研究が行われた。従来の実験モデルは必ずしもヒトの腎の変化に類似したものでなかった所に問題があった。ヒトの糖尿病では細小血管基底膜の肥原(特に不整な)、血管径の拡大・不整、血管外皮細胞の変性(腎ではメザンギウムの拡大)等が主要のものであり、機能的には蛋白排泄量の増大、初期での糸球体瀘過率の拡大等がみられることが条件であった。そこでヒトでも高血圧が糖尿病の促進因子になることが明らかであったので自然発症高血圧ラット(SHR)を用いこれをストレプトゾトンン(STZ)により糖尿病として3ヶ月程度の代謝豊期間をおいて組織を通常の方法及び血管に合成樹脂をつめ、それを走査型電顕で観察し特に血管径の不整の状態について観察した。 30〜35mg/kgのSTZにより比較的軽い糖尿病にしたSHRは基底膜の肥厚、血管系の不整拡大、メザンギウムの増生拡大等の点で再現性よく変化を来すことが確認された。また機能の上では糸球体瀘過値の糖尿病による増加、蛋白排泄量の増加、その降圧剤使用による低下等がみとめられ、初期の腎症と考えられる変化がみられた。 これらの結果我々の目ざした第1の目的である実験動物の開発という面ではSHR-STZは合格であり、細小血管症の発症機械の研究、治療薬剤の開発のために有用であると思われた。 他の膜器についての検査は未だ十分検策は行われていない点及びその他については未だ十分行っておらず今後の基礎をつくったという点を重視したいと思う。またin vitroモデルも血管内皮細胞の培養までは行ったが手がそこから先に十分まわらず完結出来なかったが、今回はそれらの基礎がつくれた所に意義があると思われる。
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