研究課題/領域番号 |
62870054
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
今井 康晴 東京女子医科大学, 附属日本心臓血圧研究所・循環器小児外科 (30075246)
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研究分担者 |
福井 康裕 東京電機大学, 理工学部・応用電子工学科, 教授 (60112877)
別府 俊幸 東京女子医科大学, 附属日本心臓血圧研究所・理論外科, 助手 (30181481)
吉川 昭 東邦大学, 理学部・物理学科, 助教授 (30075329)
副島 健市 東京女子医科大学, 附属日本心臓血圧研究所・循環器小児外科, 助手 (40096607)
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キーワード | 体外循環 / 人工心肺 / 拍動流送血ポンプ / マイクロコンピュータ / コンピュータコントロール / 自動制御 |
研究概要 |
昨年度に引き続き、開発した送血ポンプを用いて拍動流送血と定常流送血についての比較検討を、臨床並びに動物実験において実施した。その結果、動物実験では末梢血管抵抗の低下、腎血流量の増加、尿量の増加などにおいて拍動流送血の優位性を認めたが、臨床では末梢血管抵抗の低下以外に有意差を見いだすことはできなかった。しかし臨床でも、尿量の増加傾向などがあるため、今後、手術時間、疾患、年齢などのばらつきを少なくするようにして検討を続ける予定である。 自動記録システムは、自動制御装置の安全性の評価、体外循環中の操作差者の制御動作の解析を目的として計画、開発された。装置は血圧、ポンブ流量、体温などの推移を記録するだけでなく、投薬、輸血などの操作、血液ガス分析値などのオフラインデータの記録も可能となっており、データーの蓄積だけでなく、ポンプテクニシャンの負担軽減にも役立つものと思われる。現在、動物実験において評価、修正を繰り返し完成をめざしている。 自動制御システムは、臨床用として開発されてきたコンピュータのプログラムの完成が遅れているが、しかし現在、動物実験においての最終的な調整段階に入っているため、ここ数カ月のうちに臨床応用を実現できるものと思われる。動物実験において、開発された自動制御方式は1ないし5時間の体外循環に100%安定した動作を実現しているため、臨床にも問題なく使用できるものと考えられる。この方式は、患者の動脈圧、中心静脈圧(CVP)からCVP目標値を決定し、体外循環中はCVP計測値の目標値からのずれを小さくするように送脱血流量を操作する。またCVP目標値はリザーバーレベルの変動、コラプスなどによって自動補正される。制御アルゴリズムには離散PI(Proportional-Integral)制御法を用い、制御ゲインは体重から算出している。
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