研究課題/領域番号 |
62870057
|
研究種目 |
試験研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
西本 詮 岡山大学, 医学部, 教授 (50032850)
|
研究分担者 |
白石 哲也 岡山大学, 医学部・附属病院, 医員
松海 信彦 岡山大学, 医学部・附属病院, 医員
守山 英二 岡山大学, 医学部・附属病院, 医員
松本 健五 岡山大学, 医学部, 助手 (10190521)
古田 知久 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (30181457)
|
研究期間 (年度) |
1987 – 1989
|
キーワード | 放射線組織内 / マイクロウェーブ組織内照射 / 温熱療法 / 脳腫瘍 / ^<192>Ir seed / BRW型CT誘導定位的脳手術装置 / CT-GUIDED STEREOTACTIC SYSTEM |
研究概要 |
1)放射線組織内照射 正常脳組織に対する影響については14頭の日本ザルを用いて検討した。その結果(1)200〜260Gy以上の照射領域で放射線壊死がみられた。(2)MRIでは、necrotic zoneは1週間後より認められ、その大きさは6ヵ月後まで殆ど変化しなかった。造影剤によるリング状増強部の程度、及び周囲の浮腫は1ヵ月後が最も弱く、その後再び強くなった。(3)CTでは、MRIに比較してこれらの所見は明瞭ではなかったが、2ヵ月後よりnecrotic zone内に石灰化を認めた。今後、組織内照射による正常脳の障害を更に解明するには、dose rate、total dose、irradiated volume等の因子を考慮し、動物実験を重ねていく必要があると考えられた。 2)組織内温熱療法 温熱による正常脳組織の組織学変化と加温限界の検討は成熟日本ザル20頭を用いて検討した。その結果、44℃未満、60分間の加温領域では加温直後、7日後とも脳組織の不可逆的変化を認めなかった。一方、44℃以上、60分間の加温領域では7日後には白質、基底核ともに境界明瞭な壊死巣を認めた。 3)臨床応用 放射線組織内照射の臨床応用として11例の悪性脳腫瘍(再発例、深部腫瘍例)に対し定位脳手術装置を用い密封小線源治療を行った。その結果は11例中、CR1例、PR4例、MR1例、NC4例で有効率54%であり、本法の有用性が示唆され、従来治療が困難であった悪性グリオーマに対する有効な補助療法として期待し得ると考えられた。また定位脳手術装置により、きわめて正確にかつ最小の外科的侵襲で線源用カテーテルを刺入することができた。本治療中に出血などの合併症は認められなかった。今後も症例を重ね、長期経過観察を行いその有用性、最適な併用療法となるべきものを併せて検討してゆきたい。
|