研究課題/領域番号 |
62870059
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
成瀬 昭二 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (50106407)
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研究分担者 |
西川 弘恭 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (40079695)
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キーワード | spectroscopic imaging(スペクトロスコピック・イメージング) / NMR / MRI / MRS / 神経伝達物質 / 乳酸 / N-acetyl aspartate / GABA |
研究概要 |
昨年度にひき続きSIDAC(spectroscopic imaging by dephasing amplitude change)法を用いて水以外のHのspectroscopic imaging(MRSI)を試みた。まず、SIDACを4.7TのSCM200(9cmφ、JEOL)に移殖して、標準液(乳酸、アミノ酸)やラットを用いてMRSIの実験を行なった。しかし、高濃度の標準液では可能であったが、低濃度の液やラットの脳では実用的なMRSIを得る事は困難であった。その理由は、磁石内の全域に一様な高精度の均一磁場を作成できない、渦電流の問題のため高速の傾斜磁界の切り換えができない、などのハードウェア上の制約のためであり、装置上の根本的な問題であり解決がむつかしかった。次に、2.0TMRI/S装置(1mφ、旭メディカル)を用いて、標準試料、ウサギ脳、ヒト腕につき実験を行なった。比較的高濃度の標準液では、良好なMRSIを得ることができたが、ウサギ脳では死亡時の乳配以外に良いMRSIを得ることはできなかった。これは、水のピークの消去が困難であったことと、磁場の均一度を充分上げられなかったためであった。水ピークの抑制は、pre-saturation法を用いたが、測定までの時間中に、水ピークが回復し、最終的には1/100位しか抑制できなかった。実際には少くとも1/1000〜1/10000にする必要があり、そのためには信号検出前に1ー3^^ーー3^^ーー1等の水ピーク抑制法を加えねばならないと結論され、現在なお検討中である。また2.0Tでは信号強度が充分でなく、また磁場均一度の不充分さなどの問題のため神経伝達物質、アミノ酸などの低濃度物質のMRSIを得るには適していない。さらに、4.7Tでも、今回用いた小口径の高分解能スペクトル用磁石では、広い範囲に均一磁場が得られず目的は達せられない事も判明した。このため、重要なテーマの本研究課題を遂行するためには、少くとも4.7T以上(できれば7T)の水平置きの装置が必要である。現在、米国のUCSFとの共同研究を計画しており、今後この研究課題を発展させてゆきたい。
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