研究課題/領域番号 |
62870067
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
伊勢 秀雄 東北大学, 医学部第一外科, 講師 (10150260)
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研究分担者 |
高山 和喜 東北大学, 高速力学研究所気体力学, 教授 (40006193)
桑原 正明 東北大学, 医学部泌尿器科, 助教授 (50006780)
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キーワード | 無水槽型体外結石破砕装置 / 水中衝撃波 / 胆石 / 腎結石 / 微小爆薬 / 微小爆発 / 二重露光ホログラフィー / 超音波診断装置 |
研究概要 |
これまでの体外衝撃波結石破砕装置をより簡便にし、操作性を向上させ、かつ患者にかかる負担を軽減させることを目的に、水槽を用いない装置(以下、本装置と略)を試作し、これまでに開発した水槽式と比較検討した。衝撃波エネルギー源はアジ化銀10mg微小爆発である。以下に本年度の研究実績を述べる。 1)本装置の衝撃波通過部位を水中につけ衝撃波の収束(フォーカシング)点付近における圧力分布を自作圧力計で測定したところ、同条件の水槽型とほぼ同等の圧力とシャープな圧力波型が観察された。 2)さらに二重露光ホログラフィー干渉計法により水槽型同様に衝撃波がフォーカシングする様子を観察しえた。 3)in vitroおよび犬を用いた動物実験を行いセラミック製モデル結石、ヒト胆嚢結石の破砕に成功した。動物実験では、破砕に必要な最少のフォーカシング数の時点で剖検したところ、胆嚢の背側にある肺の出血等の大きな変化がみられた。他の臓器に肉眼的変化は認めなかった。しかし、さらにフォーカシング数を増加させたときには肝、胆嚢、消化管などに著明な変化があらわれ、一回のフォーカシングは必要最小限にとどめおくべきことが示唆された。 4)3)の結果をふまえ、in vitroで小気胞と衝撃波の相互作用について検討し、気胞が衝撃波により大きな力を発生することが示され、これが肺損傷の機序の一つになっていることが考えられた。 5)本装置に超音波診断装置を組込み臨床応用準備中である。この装置の衝撃波の挙動を大型コンピューターによりシミュレーションしたところ、衝撃波はこれまでと同様にフォーカシングし、かつ破砕に必要な圧力を得ることができるという結果を得た。 以上63年度の研究実績について要約した。
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