研究課題/領域番号 |
62870071
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
三木 直正 金沢大学, がん研究所, 教授 (40094445)
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研究分担者 |
本田 孔士 京都大学, 医学部, 教授 (90026930)
中島 章 順天堂大学, 医学部, 教授 (90052927)
玉井 信 東北大学, 医学部, 教授 (90004720)
河崎 一夫 金沢大学, 医学部, 教授 (20019920)
大庭 紀雄 鹿児島大学, 医学部, 教授 (50010070)
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キーワード | 網膜色素変性症 / DNA診断 / 制限酵素断片長多型 |
研究概要 |
X染色体性網膜色素変性症のLocusはXp21ーcenにあり、L1・28プローブによりDNA診断が可能とされている。L1・28プローブは疾患の原因遺伝子ではないので、L1・28プローブを用いてのDNA診断には家系上で遺伝様式が確定していることが必要である。L1・28プローブを用いて、DNA診断を行う利点は、(1)男児が将来発病するかどうか、(2)女性がキャリアーかどうかの決定ができることである。各班員から、よせられた3家系について、その家族の白血球からDNAを抽出し、taqI制限酵素で、DNAを切断後、アガロースゲル電気泳動を行い、サザーンブロットを行い、9Kbpと13Kbpのバンドについて多様性を調べた。遺伝様式から推定されるキャリアー(女性)には9と13Kbpの2本のバンドが認められた。男子患者にも9と13Kbpの2本のバンドが認められることがあるが、これは、DNAがtaqIにより完全に切断されないためと考えられた。2年間の研究で、いくつかの問題点が明らかとなった。(1)遺伝様式が明らかな家系のすべての人から血液を集めることが大変に困難である。(2)血液の輸送に時間がかかったり、溶血が進んでいたりして、DNAがうまく抽出できないことがある。(3)抽出したDNAがtaqIで切れにくいことがある。(4)L1・28プローブは疾患原因遺伝子ではないので、将来、新に本疾患の原因遺伝子がクローニングされた時には、もう一度再検査の必要があると思われる。従ってリンパ球にEBrirusを感染させ、リンパ球を株化し、永久保存をする方法を取るのが最良と考えられ、次年度では、遺伝性網膜疾患のリンパ球の株化の実験を予定している。
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