研究課題/領域番号 |
62870082
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研究機関 | 山梨医科大学 |
研究代表者 |
大西 正俊 山梨医科大学, 医学部, 教授 (50014139)
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研究分担者 |
大月 佳代子 山梨医科大学, 医学部, 講師 (20185325)
一條 尚 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (20013807)
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キーワード | ハイドロキシアパタイト / 人工骨 / 骨伝導能 / 多孔体 / 再建用プレ-ト / 骨シンチグラフィ- / 下顎骨区域切除 / 下顎骨再建 |
研究概要 |
アパタイト骨補填材について顎骨領域における人工骨としての発展を動物実験による検討ならびに臨床応用による検索を行った。 I.動物実験 下顎骨再建法のうち特に区域切除後の補填結果について検討した。まず実験系での結果は術式中のアパタイトの顎骨に対する固定法に左右されることが明らかとなった。そのため固定時のプレ-トを頬舌側2枚にすることによって確実な維持が得られ、実験結果に反映された。すなわち、区域切除部に補填したアパタイト内へは残存下顎骨両端から骨新生がみられ、最終的に約8週で多孔体はアパタイトで埋め込まれた状態となる。このことからも術中、術後における重要な条件として固定法があげられる。 II.臨床適応例の評価 下顎骨再建症例29例についてその経時的変化を観察した。X線所見ならびにシンチグラフィ-所見から術後の集積ののちとくにアパタイト内での集積は2〜3年後においてもみられ、骨形成が長期間にわたって持続していることが示唆された。また、術後下顎骨摘出により組織学的に検索し得た剖検例からは73才の高令にもかかわらず、アパタイトブロック内への骨形成が確認され、本症例でTcシンチグラム所見と一致する状態であったことから、アパタイトの臨床例における骨形成性とX線所見、シンチグラム所見などとの関連性が明らかとなった。また、骨形成が確認されたことから、補強材としてのチタンプレ-トは一定期間後には除去しうることが臨床例からも実証された(35才男性、59才女性)。 III.再建下顎骨に対する補綴的処置 下顎骨再建症例にはほぼ全例に義歯を装用し経過観察を行ったが、特に異常は認められず、通常の補綴治療で十分である結果であった。
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