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1988 年度 実績報告書

植物細胞培養法による医薬資源の開発

研究課題

研究課題/領域番号 62870086
研究機関京都大学

研究代表者

上田 伸一  京都大学, 薬学部, 助教授 (20025688)

研究分担者 井上 謙一郎  京都大学, 薬学部, 助手 (40025713)
藤多 哲朗  京都大学, 薬学部, 教授 (40027024)
キーワード高等植物 / 細胞培養 / アカネ科 / クワ科 / イリドイド / プレニルカルコン / 生合成 / 抗発癌プロモータ
研究概要

前年度に引き続きアカネ科クチナシ連植物培養細胞のイリドイド成分を調べ、南アフリカ産Gardenia(G.)thunbergii,G.cornutaはクチナシカルスと同様のイリドイドを生産することを認めた。Gardenia、Genipa、Tarenna属植物について、母植物、カルス、およびカルスからの再分化植物のイリドイド生産性を調べた。本邦産クチナシ属植物はカルス化により母植物の主イリドイドの他にタレノシドを生産するが、再分化植物では、母植物と同様のイリドイド生産にもどり、タレノシドを生産しない。クチナシ及びGenipa americanaのカルスを種々の温度で培養すると、そのイリドイド生産は、クチナシでは20〜25°、Genipa americanaでは25〜30°が適温であり、それより上下するとイリドイド生産性は低下する。これらのイリドイドについてEpstein-Barrウイルス非産生培養細胞Raji株のTPAによる発癌プロモータ作用の抑制活性の研究を実施中である。
クワからは光学活性なDiels-Alder型付加化合物であるカルコモラシン及びクワノンJ高生産培養細胞系を得た。〔1ー^<13>C〕、〔2ー^<13>C〕及び〔1、2ー^<13>C_2〕酢酸の投与実験により、カルコモラシンの2アリルベンゾフラン骨格の生成機構を明らかにした。酢酸からプレニルカルコンが複合経路で生合成される際、C_6ーC_3ーC_6単位は急速に形成されるが、プレニル化はゆっくりと進行する。プレニル基の形成に当っては、2分子の酢酸のメチル基部分が相寄って1分子のアセチルCoAを形成し、これがプレニル基形成の出発単位となることも判明した。クワカルスから再分化した植物体を圃場に移し、11年栽培し、その根皮の成分を検索した結果、モルシン、クワノンU、S、モラカルコンA、2、2^1、4、4^1ーテトラヒドロキシカルコン、モラシンM、O、Pの8種の既知物質の他に、モノテルペノイド置換新フラボノイドのクワノールC及びDを単離し、それらの化学構造を決定した。植物ホルモン非添加培地でプレニルカルコン高生産細胞系も得ている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 上田伸一: 組織培養. 14. 392-395 (1988)

  • [文献書誌] Shinichi Ueda: Nature.

  • [文献書誌] Yoshio Hano: Chemical&Pharmaceutical Bulletin. 37. 554-556 (1989)

  • [文献書誌] Yoshio Hano: Heterocycles. 28. (1989)

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公開日: 1990-12-19   更新日: 2016-04-21  

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