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1988 年度 実績報告書

腎炎治療薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 62870094
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

室田 誠逸  東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (50072989)

研究分担者 森田 育男  東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (60100129)
若林 利生  テルモ株式会社, 技術開発部, 部長
飯野 靖彦  東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (60134706)
キーワード腎炎 / HETE / 糸球体 / アラキドン酸 / リポキシゲナーゼ / 12ーリポキシゲナーゼ
研究概要

前年度において、正常ラットの腎糸球体中にアラキドン酸代謝経路のうち12ー及び15ーリポキシゲナーゼ活性が存在することが判明した。本年度は腎炎を惹起したラットにおける腎糸球体中のリポキシゲナーゼ活性を測定し、正常ラットと比較した。ラットの腎炎モデルとして塩基性抗原(cationic bovine gamma globulin)による免疫複合体腎炎(CBGG腎炎)を用いた。CBGGとフロイド完全アジュバントで免疫したラットに、1週間後から1日1回5日間CBGGを静注することにより作製した。代謝ゲージで毎日採尿し、尿量と尿タンパク濃度を測定した。尿量及び尿タンパクはCBGG静注開始後それぞれ4日目、3日目から急激に増加し、腎炎が惹起されている事を確認した。さらに組織学的変化についても検討した。またCBGG腎炎惹起時の糸球体リポキシゲナーゼ活性について検討した。CBGG静注終了後、2日目の糸球体で12ーリポキシゲナーゼ活性の亢進が認められたが、ロイコトリエンの合成に関わる5ーリポキシゲナーゼの活性は検出されなかった。そこで現在、12ーリポキシゲナーゼ活性の亢進と腎炎の関係について検討を進めている。一般的に12ーリポキシゲナーゼのアラキドン酸代謝産物の生理作用として、1)血管平滑筋細胞の遊走(糸球体メサンギウム細胞は平滑筋様である)、2)リンパ球の走化性亢進、3)白血球のロイコトリエン産生亢進、4)単球の糸球体への接着能の亢進、などが知られている。これらのことから、腎炎の発症、進展に腎糸球体における12ーリポキシゲナーゼ活性の亢進が関与している可能性があると推察された。近年、糸球体メサンギウム細胞が増殖する腎炎においては予後が悪いと言われている。そこでメサンギウム細胞を培養し、メサンギウム細胞の増殖のメカニズムについても検討を加えている最中である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] T.Watanabe;I.Morita;H.Nishi;S.Murota: PG.LT.EFT.33. 81-87 (1988)

  • [文献書誌] K.Noguchi;I.Morita;I.Ishikawa;S.Murota: PG.LT.EFA.33. 137-141 (1988)

  • [文献書誌] Y.Baba;I.Morita;T.Susami;T.Kuroda;S.Murota: BIOCHIM.BIOPHYS.ACTA.960. 67-72 (1988)

  • [文献書誌] M.Abe;I.Morita;S.Murota: PG.LT.EFA.34. 69-74 (1988)

  • [文献書誌] K.Noguchi;I.Morita;S.Murota: ARCHS.ORAL.BIOL.34. 37-41 (1989)

  • [文献書誌] Y.Suzuki;I.Morita;Y.Yamane;S.Murota: J.BONE MIN.RES.4. 29-35 (1989)

  • [文献書誌] I.Morita;S.Murota: "Liver prostanoids PROSTAGLANDINS-BIOLOGY AND CHEMISTRY OF PROSTAGLANDINS AND RELATED EICOSANOIDS" Chrchill-Livingstone, 311-322 (1988)

  • [文献書誌] S.Murota;I.Morita;K.Kato: "An in vitro assay system for measuring both vascular permebility and endothelial cell damege ROLE OF BLOOD FLOW IN ATHEROCLEROSIS" Springer-Verlag, 223-229 (1988)

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公開日: 1990-12-19   更新日: 2016-04-21  

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