研究課題/領域番号 |
62870096
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
塚原 保夫 東北大学, 応情研, 教授 (60004587)
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研究分担者 |
斎藤 博 東北大学, 医学部, 講師 (80004711)
玉井 信 東北大学, 医学部, 教授 (90004720)
城戸 健一 東北大学, 応情研, 教授 (30006209)
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キーワード | 眼球運動 / 筋萎縮性側索硬化症 / 意志の交流 / ワードプロセッサー / 眼振図 / 二次元位置計測装置 |
研究概要 |
本年度は、1.装置の改良 2.基本的なソフトの実現 3.生体よりの多次元信号の実用化の検討 が主な内容である。 1.二次元位置計測装置によって、視線の位置を決定することをさらに検討した。確率的な過程として情報を処理すれば、時間はかかるが頭部がよく固定されていれば正解は得られる。瞳孔を保持するためのソフトの変更は、現在検討中である。照射波長は、近赤外光(700〜800nm)が結果は良かった。しかし、偶然、患者に用いる機会を得たが、頭部の固定は非常に困難で、相対的な位置決定の方が有望である。 2.視線の位置を相対的な方法で決めるために、眼球運動の方向のみをとらえサーボ機構によって位置を決定することを前年に引続き試みた。まず(1)注視している50音図のうえをポインターが移動した方がいいのか、(2)逆に50音図の方が移動した方がいいのか、(3)また、どちらの方法でも理論どうり意識的にも、実際的にも差がないのかを検討した。その結果は、主観的には、ポインターが移動した方が楽でありその結果安定に実験が継続できた。 3.眼振図は、ペーストを充分用いれば実用可能である。左右の動きの方がより安定に記録できる。上下は、瞬きと混同し易く、時間てきな窓を用いる必要がある。 4.取り出すことの出来る信号は、患者の重傷度によって量と質が決まる。ほんの僅かでも眼球以外の動作が可能であれば、装置を動かすための信号は飛躍的に増す。動作以外の信号の中で最も有望なものは脳波である。本年度は、眼振図に、閉眼時及び開眼時に現れる脳波のα波とβ波を併用する可能性を検討した。脳波は電極の装着をしっかりし、増幅器のバンド幅を患者によって厳密に同調し狭くすれば記録可能である。しかし、特にα波は閉眼からの潜時が長く不安定であり検討を要する。
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