研究課題/領域番号 |
62870100
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
津田 正明 岡山大学, 薬学部, 助教授 (80132736)
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研究分担者 |
小野 勝彦 岡山大学, 医学部, 助手 (30152523)
川村 光毅 慶応大学, 医学部, 教授 (40048286)
土屋 友房 岡山大学, 薬学部, 教授 (80012673)
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キーワード | レトロウイルス / 遺伝子導入 / 細胞移植 / 小脳 |
研究概要 |
外来遺伝子を導入した神経系細胞を動物脳内特定部域へ移植する試みは、神経系の形態形成及び機能発現のメカニズムを探る上でも有効な手段を提供し得る。また、神経疾患治療上、有効な手段を提供し得る可能性もある。 すでに、組み換えレトロウイルスで大腸菌クロラムフェニコ-ルアセチルトランスフェラ-ゼ(CAT)遺伝子を感染導入したマウス小脳初代細胞を、マウス小脳内へ移植して少なくとも3週間の正着が認められたことを報告している。しかし、この移植細胞にはニュ-ロン系の細胞があまり含まれていない可能性があったので、移植細胞の調製法について検討を加えた。その結果、小脳より初代細胞をトリプシンで完全分離して培養すると、グリア繊維性酸性蛋白質(GFAP)やニュ-ロフィラメント蛋白質(NFP)産生細胞が減少してくることがわかった。しかし、トリプシンで完全分離しないで培養を行うと、これら産生細胞はむしろ増加する傾向にあった。また、感染導入効率を上げるためにウイルス産生能を上げる試みやウイルス濃縮法を検討したが、効果的な方策は見つからなかった。むしろ、ウイルス含有培養液で繰り返し感染を行わせると感染効率の増加が認められたが、全細胞の約1%程度の細胞にしか感染は認められなかった。 以上の細胞移植の方法の検討とは別に、脳内局所への遺伝子導入法として、プラスミドDNAの脳内への直接注入法を検討した。プラスミドDNAをリポフェクチンで処理して、出生後1週目のマウス脳内に注入した所、プラスミドDNAは脳細胞に効率よく取り込まれて発現されることがわかった。今後、この方法の確立を目指したい。
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