研究課題/領域番号 |
62880008
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
有川 節夫 九州大学, 理学部, 教授 (40037221)
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研究分担者 |
宮原 哲浩 九州大学, 教養部, 講師 (90209932)
武谷 峻一 九州大学, 工学部, 助教授 (60038073)
宮野 悟 九州大学, 理学部, 助教授 (50128104)
原口 誠 東京工業大学, 総合理工学研究科, 助教授 (40128450)
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キーワード | 類推 / 知識情報処理 / 日本語インタ-フェ-ス / 抽象化 / 推論の計算量 / 知識の牽引付け / 類比 / 帰納推論 |
研究概要 |
本研究の目的は、類推に基づいた一般性のある知識情報処理システムを研究開発し、知識情報処理を知的に強化して、それによって問題解決を柔軟にすることである。また、そのための基礎理論を構築することも主な目的の1つである。最終年度である本年度は、次の事項について研究し、システムを完成させ、新しく類推理論の拡張を行った。 (1)類推のための抽象化。抽象化は、知識を単純化して学習や問題解決の実行を効率化するために導入された手法であるが、本研究では、これを類推におけるソ-ス領域の牽引付けと可能性の無いソ-ス領域との類推を排除するための手法として位置付けた。まず、従来の類推理論を関数記号や述語記号の対応付けも扱えるように拡張し、その拡張された理論を用いて、上記目的のための抽象化を考え、それを実際のシステムに搭載した。 (2)類推システムの効率化。前年度までに開発していた類推システムARTSの効率化を、インタ-フェ-スの改良、(1)による検索機能の追加、インタプリタの簡潔化、条件EPICの完全な実現、ARTSシェルの開発という面から達成した。これによって、システムが利用し易くなり、スピ-ドも初版に比べて6〜12倍程度高速化でき、全体のシステムが完成できた。 (3)知識表現言語の拡張。本研究では主として確定節を対象にしてきたが、これでは表現力だけでなく、類推による推論結果の妥当性の議論にも不十分である。そこで、本年度は、否定の扱いとともに階層構造について研究し、それぞれ類推結果の妥当性と知識の構造に関する基礎研究を行い多くの成果を得た。また、Rnsselによる決定規則(deter mination rule)による類推との関連についても成果を得た。
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