研究課題/領域番号 |
62880021
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
栗原 良枝 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (90017715)
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研究分担者 |
小今井 直養 三田尻化学工業(株), 研究員
中谷 一泰 昭和大, 薬学部, 助教授 (40053855)
中村 泰治 昭和大, 薬学部, 教授 (70053759)
栗原 堅三 北海道大, 薬学部, 教授 (00016114)
麻生 武夫 横浜国大, 教育学部, 教授 (40017736)
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キーワード | ミラクルフル-ツ / ミラクリン / ミラクリンの糖鎖構造 / ミラクリンのジスルフィド結合 |
研究概要 |
1.ミラクリンは191個のアミノ酸残基からなる一本鎖のポリペプチドであり、7個のシステイン残基を持つ。精製ミラクリンを8M尿素で変性し、サ-モリシン消化(37℃、6時間)したものを逆相HPLCで各フラグメントに分離した。DTNBによるシスチンペプチドを確認し、それらのペプチドを還元カルボキサミドメチル化後、各構成フラグメントに分離し、それぞれのアミノ酸組成およびアミノ酸配列の分析を行った。その結果、Cys(47)ーCys(92)、Cys(152)ーCys(155)、Cys(148)ーCys(159)がジスルフィド結合していることが決定された。従って残りの1個のシステイン残基〔Cys(138)〕は遊離の形で存在することが明らかとなった。 2.遊離SH基の甘味誘導活性における役割を明らかにするために、ミラクリンの遊離SH基をカルボキサミドメチル化し、その甘味誘導活性について検討した。修飾してもなお甘味誘導活性が認められたことより、遊離SH基は甘味誘導活性に関与しないことが示唆された。 3.ミラクリン分子は42番目と186番目のアスパラギン残基にNーグリコシド結合型糖鎖をもっている。ミラクリンにグリコペプシダ-ゼを加え、5種類の糖鎖を分取した。これらのオリゴ糖の構造を2次元糖鎖マップ法および^1HーNMRスペクトル解析により決定した。その結果、ミラクリンの糖鎖はキシロ-スを含むNーアセチルラクトサミン型であることが明らかになった。5種類のうち、2種類はこれまでの糖蛋白質の糖鎖に見いだされていない構造である。 4.精製ミラクリンのpHの違いによる安定性を調べた結果、ミラクリンはpH4.5では37Cにおいて24時間活性が失われないこと、一方pH10では直ちに失活することがわかった。
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