研究課題
1)環状イオン源の最適放電様式をさぐるために、モデルを作って試験を行い、ほぼ理想的な環状イオン源の方式が確立された。この方式の環状イオン源を今回の試験のために設計し製作を行った。2)環状イオン源から引出されたイオンビームを600keVに加速し、中心軸上の一点に集束させるための加速電極系、ビーム集束装置、イオンビームによる発生熱(〜10kW)を吸収するためのターゲット冷却系、などを含む高眞空タンク(昨年度予算で製作された)の現場据付と製備が行われた。装置の予備テストが進行中である。3)一方、本実験装置の運転のための各種実験室設備(電源・冷却水系・各種ガス供給系、高電圧発生のための600kV耐圧の絶縁管、各種のシールド電極系、など)の製作と製備が行われた。4)本実験におけるイオンの加速電源(600kV)は日本眞空技術KKにおいて試作されたデイスクトロンを使用する予定で、本年度中に略完成した。今後この装置を現場に設置して600kVの電圧テストを実施する。5)本研究の実施に使用する設備は、その量と質において2年の期間で用意するには過大なものであって、現在までに完成されるに到っていない。本当の意味での研究はこれから始まると言うべきで、その成果を得るにはなお年の単位の時間を要すると思われる。