本研究は、学校の保健室を訪れる児童・生徒のデータを少ない負担で収集し、それを情報処理機器で分析することによって、学校の環境上の問題点や生徒の行動上の問題点を明らかにすることを目的にしている。 児童・生徒が保健室を訪れるたびにその記録を我々が日誌に記入し、それを後日コンピュータのキーボードから入力することは負担が大きい。そこで児童・生徒の入室の度に入力することが望まれるが、そのためにパーソナルコンピュータを占有することも経済的に困難である。以上の難点を解決するために、パーソナルコンピュータから独立した入力操作盤を以下のように作成し、そこに蓄えたデータを後日パーソナルコンピュータに取り込み、自由に分析できるようにした。 ハードウェア構成として、(1)MSXパソコンのタッチセンサ盤を利用して、大きさ200×130mmの任意の位置を5×5mmの分解能で完全に識別できるようにした。その上で、そのセンサ盤を16×16に分割した。(2)入力操作盤の表示部として、ANK文字20文字×4行の液晶表示ユニットを採用し、それをASCIIコードで制御できるようにした。(3)制御用のCPUとして、Zilog社のZ8シングルチップコンピュータを採用し、プログラムおよびデータ領域として各々、8KBを割り当てた。 以上のハードウェアを有機的に機能させるために、次のソフトウェアを開発した。(4)液晶ドライバー、(5)タッチセンサ盤読みとりソフト、(6)プログラムローダ、(7)蓄積データのアップローダ。これらのソフトウェアを機械語に変換してR M化した。以上のシステムを用いて、過去のデータを入力し、一度半導体メモリに記憶させたものを、再びパーソナルコンピュータに転送した結果、入力したデータはパーソナルコンピュータのディスク上に完全に再現されていることが確認された。
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