研究課題/領域番号 |
62890007
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
池谷 元伺 大阪大学, 理学部物理学科, 教授 (20023161)
|
研究分担者 |
原 秀元 マイクロ, デバイス, 社長
内山 哲夫 セイコー電子工業, 常務
三木 俊克 山口大学, 工業短期大学部, 助教授 (70091212)
|
キーワード | ESR顕微鏡 / イメージング / ESR線量計 / 年代測定 / マイクロドジメトリー |
研究概要 |
小型可搬ESRを試作するため、世界最強の磁石NdBFe(Neomax)を用いて小型化し、ESR線量計として利用する他、新しくESR顕微鏡を試作した。ESR顕微鏡の構成及び測定対象物は下記の通りである。 1.マイクロ波収束ESR走査型顕微鏡 マイクロ波を空洞共振器の穴より取り出し、試料をXーYステージで動かすことにより、断面の画像を るのが「走査型ESR顕微鏡」である。この顕微鏡を用いて、人体歯牙の被曝線量のミクロ画像分布を得ることに成功した。X線およびγ線の被曝線量分布を画像化した結果、予想された通り、X線は表面エナメル部のみで、γ線は全エナメル部分が被曝していることが判った。このようにして、歯科X線とγ線の画像を得ることができる。この他、ESR顕微鏡の用途は広く、小型可搬ESRと共に広く普及するであろう。今後は応用例を増やしていく。 2.小型可搬ESR線量計 NEOMAX磁石を用いた小型可搬線量計と周波数可変ESR線量計を試作したが、短型TE_<102>共振器を用いたため感度が悪く、低線量領域の線量計としては不適当である。中高線量領域の線量計としては充分実用化できる。 「第2回ESR線量計測とその応用」国際シンポジウムでは、小型で安価な線量計の発表が大きな反響を呼んだ。特に西独のブルーカー社は、約2万台の市場との判断の下に1990年には小型ESRを販売するとのことであった。日本の企業の積極的取り組みが望まれる。なお、本試作機を発展させて、日本のマイクロデバイス社も市販をはじめた。
|