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1988 年度 実績報告書

ヒト癌のプロクレッションを左右する分子的機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 63010061
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

藤田 哲也  京都府立医大, 医学部, 教授 (00079716)

研究分担者 千田 隆夫  大阪大学, 医学部, 助手 (10187875)
三沢 信一  京都府立医科大学, 医学部, 助手 (40117908)
杉原 洋行  福井医大, 医学部, 助手 (30171169)
土橋 康成  京都府立医大, 医学部, 助教授 (50106390)
坂倉 照好  理化学研究所, 真核生物研究所, 主任研究員 (80073120)
キーワードDNA顕微蛍光測光 / 人癌、プログレッション / 癌の核型分析 / 癌特異的モノクロナル抗体 / テネイシン
研究概要

ヒト癌の発生において、一個の癌細胞が出現定着してから、どのように癌という病気に発展していくのかというプログレッションの具体的な経過とその分子的メカニズムの解明のため、人体病理学の提供する材料を中心として、DNA定量によるクローナルエボリューション、その浸潤の広がりと核DNAとの関係、染色体レベルの変化、細胞表面の性状の分子レベルでの変化、血管との間質の変化を最新の技術を結集して分析を進めた。
消化管癌とくに胃癌について、初期癌と早期癌を集めて分析した結果、癌細胞の粘膜内の広がり、粘膜筋板との接触の度合い、深部浸潤の程度および転移とは核DNA量の変偏と明瞭な関係のあることが明らかとなった。とくに、重要と考えられたのは、胃印環細胞の早期(初期のものはもちろん)は殆んどの例が二倍体モードを示すのに、スキルス癌では80%以上が異倍体モードを主徴としていることであった。しかし、その例外と思える20%について、染色体分析を行いえたる例をみると、染色体数のモードは48、52、53など、わずかに異倍体で顕徴測光法では近2倍体DNA量としか測定されないが、量的にも異数体であり、かつカリオタイプでみると10ヵ所以上の異常(欠失、トリソミー、テトラソミー、部分転座など)を伴うものであ ることがわかった。これらが、どのようにしてプログレスしてくるかを切除胃の中に DNA量の違うクローンの分布をマッピングして分析し、それらが具体的にどのようなクローナルエボリューションでできてきたかを明らかにすることができた。また癌細胞の膜上の糖鎖をモノクローナル抗体で分析し、一定の方向の変化が次第につかめるようになってきた。間質にもテネイシンの特異的産生が出現することや、プログレツションと時を同じくして血管パターンが変わってくることも明らかになってきた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Hamada,S.;Fujita,S.: Cancer. 62. 1503-1510 (1988)

  • [文献書誌] Hamada,S.;Fujita,S.: Cancer. 61. 1555-1562 (1988)

  • [文献書誌] Inaguma,Y.;Sakakura,T.: Dev.Biol.128. 245-255 (1988)

  • [文献書誌] Hayashi,K;Mizuno,T.: J.Biochem.103. 290-296 (1988)

  • [文献書誌] Rubio,C.;Kato,Y.: Am.J.Path.19. 485-488 (1988)

  • [文献書誌] Yamada,Y.;Kato,Y.: Cancer. 63. (1989)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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