研究課題/領域番号 |
63010069
|
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
母里 知之 東海大学, 医学部, 教授 (70055896)
|
研究分担者 |
小野山 靖人 大阪市立大学, 医学部, 教授 (90025544)
高橋 正治 京都大学, 医学部, 助教授 (00026931)
長尾 善光 京都大学, 化学研究所, 助教授 (40027074)
柴田 徹一 慶応義塾大学, 医学部, 講師 (70051513)
西本 清一 京都大学, 工学部, 助教授 (10115909)
|
キーワード | 放射線治療 / 低酸素性細胞 / 放射線増感剤 / ミソニダゾール / ニトロイミダゾール / ニトロトリアゾール / EMT6細胞 / SCCVII腫瘍 |
研究概要 |
62年度迄にこの研究班で合成され確立された方法で検定の結果、有効性が確実となった京大グループによるKU-2285、東海大グループのRP-170、慶大グループのKIH-802の更に詳細な検討と、正確なdateの集積が本年度の主な研究目標であった。もちろん新規に合成された薬剤の検定も多くなされたが、残念ながら今の所前述の3薬剤に勝る薬剤は得られなかった。但し、多くの薬剤の検定結果からニトロトリアゾール等では、側鎖がどの位置に付いたらよいかとか、ニトロイミダゾールでは側鎖としてどのようなものがよいか、或いは母骨核としてはニトロアゾールのどういうものが増感率が高くなるかなどという多くの薬剤を検定し、かつin vitro、in vivoを比較すことにより初めて知り得る多くの知見を得た。このことは、これからの薬剤合成に大変参考になることであった。先に述べた3つの薬剤に関しては、主としてLD50、TGT50、TCD50など詳細なin vivo実験が行われた。KU-2285に関しては含フッ素化合物であるために、腫瘍親和性が高いこと、経静脈投与、経口投与で1.8が得られている。KIH-802に関してはLD50/7に関しては1.65mg/g〜0.88mg/gと大体1mg/gであり、一方増感率はTGT法を使用して約2であった。TCD_<50>では、preliminaryではあるがやはり約2という高い値が得られた。RP-170はLD_<50/7>約4mg/g、増感率はTGT法で0.1mg投与で1.9という値が得られた。以上のように3つの薬剤共KIH-802のLD_<50>が低いことを除けば極めて有望な薬剤であり、すでに動物を使用しての薬物動態や、大動物での毒性試験などの前臨床試験が開始されいる。本研究は3年にわたったが、最初の検定系の統一といった極めて初期の段階から有望な3つの薬剤を発見し、前臨床試験の段階まで仕上げることができ、計画研究の目的を達したと考えている。各班員の努力に深謝したい。
|