研究課題
SRACは現時点では最も効率の良い感受性テストであり、臨床効果に関する予言性も効率であるがその正確度をより高めるための研究が実施された。第1にマウスの宿主反応がこの方法の精度に関係した事に関しては、食道癌、頭頸癌などの一部の扁平上皮癌では免疫抑制剤の前処置を行わなくても宿主反応が軽度であったが、サイクロフォスファミドの前投与により更に良い結果が得られた。胃腸癌、乳癌などの腺癌は宿主反応が高度であり、サイクロスポリンA又はブレジニンを用いての前処置が必要と結論された。第2に免疫抑制剤と抗癌剤双方の併用による至適条件が研究された。サイクロフォスファミド、5FUで治療した時は宿主反応は殆どなく、よって免疫抑制剤は不要と結論された。一方マイトマイシン、シスプラチン、アドリアマイシン、メソトレキセートなどは併用が必要であり、併用時の至適投与量が決定された。第3に、新抗癌剤のスクリーニングシステムとしての有用性が研究された。カンプトテシンの誘導体のCPT-11、新しいアンソラサイクリンSM-5887では、現在進行中の第2相研究の成績とSRCAでの成績が良く一致した。第4に臨床相関に関しては、真陽性率が70%以上そして真陰性率は80%程度と高い相関が得られた。
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