研究課題/領域番号 |
63015001
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
鎌滝 哲也 北海道大学, 薬学部, 教授 (00009177)
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研究分担者 |
大井 浩明 北海道大学, 薬学部, 教務職員 (60194065)
小森 雅之 北海道大学, 薬学部, 助手 (40183347)
北田 光一 北海道大学, 薬学部, 助教授 (90110345)
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キーワード | チトクロームP-450 / 肝ミクロゾーム / 変異原物質活性化 / ヒト / サル / イヌ |
研究概要 |
1.ヒト肝ミクロゾームのIQ、G1u-P-1、Trp-P-2、2-アセチルアミノフルオレン(AAF)の代謝的活性化能には、Amesテストにおいて大きな固体差が認められた。 2.ヒト肝ミクロゾームの変異原物質活性化能とウェスタン・ブロット分析よりもとめた抗P-448-H抗体と反応するチクロームP-450量との相関を検討したところ、IQ、G1u-P-1、Trp-P-2では相関係数がそれそれ0.90,0.94,0.88と高い相関が認められたが、AAFではそれほど明確な相関が認められなかった。 3.IQ、G1u-P-1、Trp-P-2のヒト肝ミクロゾームによる代謝的活性化は抗P-448-H抗体によって阻害されたが、AAFの代謝的活性化は顕著には阻害されなかった。 4.サルにおいてP-448-Hに対応するチトクロームP-450分子種のmRNA量をノーザン・ブロット分析により調べたところ、無処置サルの小腸、肝臓、腎臓においてその発現が認められた。また、PCB処置により上記の全ての臓器において発現量の増加が認められた。 5.イヌにおいてもサルと同様の検討を行ったところ、無処置では肝臓にのみP-448-Hに対応すると思われるチトクロームP-450分子種の発現が認められた。また、PCB処置により検討した全ての臓器において発現量の増加が認められた。 6.ミクロゾームによる変異物質活性化は、無処置においてはサル、イヌともに腎臓よりも肝臓の方に高い活性化能が認められた。更にPCB処置による変異原物質活性化能の変化は腎臓と肝臓とでは異なっており、上記mRNA量の増加とは必ずしも対応していなかった。 以上より、P-448-Hに対応するチトクロームP-440分子種に注目した発癌リスク予測の可能性とヒト酵素を用いた実験の必要性が示唆された。
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