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1988 年度 実績報告書

癌細胞のカルモデュリン依存性蛋白リン酸化反応に関する分子薬理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 63015029
研究機関名古屋大学

研究代表者

日高 弘義  名古屋大学, 医学部, 教授 (80100171)

研究分担者 石川 直久  名古屋大学, 医学部, 助教授 (80109321)
キーワードML-9 / サイロキシン / ミオシン軽鎖キナーゼ / カルシウム結合蛋白質 / カルモデュリン
研究概要

腫瘍細胞における蛋白質リン酸化反応の制御機構について解析を進めた。鶏胎児線維芽細胞をレトロウイルスでトランスフォームして得られたP130^<fps>とP60^<src>はいづれもチロシンキナーゼ活性を有し、いづれもP36と呼ばれる蛋白質をリン酸化する。カルシウム結合蛋質S-100及びカルモデュリンはこの2つのキナーゼ活性を抑制する事を見い出し、腫瘍細胞におけるチロシンリン酸化活性の制御機構の1つにカルシウム結合蛋白質カルモデュリン依存性蛋白質リン酸化酵素との連関を調べるため2つの新しいタイプの阻害剤を合成、発見した。1つはML-9でありカルモデュリン依存性ミオシン軽鎖キナーゼ(MLCK)のATP結合部位に作用して活性を阻害する薬物であり、一方はサイロキシン(T_4)でこれはMLCKのカルモデュリン結合部位に作用する。2つの阻害剤はいづれもin vivo,in vitroにおいてミオシン軽鎖のリン酸化を選択的に抑制し、サイロキシンアクィニティークロマトグラフィーにより簡便にMLCKが分離・精製される事を見い出した。またML-9はPDGF刺激によるDNA合成を低濃度で抑制し、細胞増殖へのミオシン軽鎖キナーゼの関与を示唆した。しかし今年度の計画にあった細胞周期を同調させた培養細胞におけるカルモデュリン依存性蛋白質リン酸化酵素の各周期における役割等は今後の課題として残されたが、ML-9の培養細胞における有用性が示され、サイロキシンアフィニティクロマトグラフィー法の確立等今後の課題に取り組むための手段・方法の有効性は充分に示された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] M.Hagiwara: J.Biol.Chem. 263. 6438-6441 (1988)

  • [文献書誌] M.Hagiwara: Biochem.Biophys.Res.Commun. 152. 270-276 (1988)

  • [文献書誌] Y.Takagi: Atherosclerosis. 174. 227-230 (1988)

  • [文献書誌] K.Sato: Levkemia Res. 12. 3-9 (1988)

  • [文献書誌] T.lto: J.Cell.Biol. 107. 929-937 (1988)

  • [文献書誌] M.Hagiwara: J.Biol.Chem.

  • [文献書誌] H.Hidaka: Calcium and cell response. 201-207 (1988)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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