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1988 年度 実績報告書

DNA修復遺伝子と発がん抑制

研究課題

研究課題/領域番号 63015032
研究機関京都大学

研究代表者

武部 啓  京都大学, 医学部, 教授 (10028318)

研究分担者 塚田 俊彦  京都大学, 医学部, 助手 (10207334)
巽 純子  京都大学, 医学部, 助手 (80128222)
八木 孝司  京都大学, 医学部, 助手 (80182301)
巽 紘一  京都大学, 医学部, 助教授 (30131022)
キーワードDNA損傷 / DNA修復 / 色素性乾皮症 / 紫外線 / 突然変異
研究概要

目的:DNA損傷は発がんのイニシエーションに重要な役割を果たしていると考えられる。したがってDNA損傷を修復する機能は、発がんの抑制に働くと期待され、そのことはDNA修復に欠損のある遺伝痕である色素性乾皮症において、太陽光による皮膚がんが多発することで知られている。本研究はヒトおよび実験動物のDNA修復に関与している遺伝子の働きを調べ、それがどのよううにして発がんの抑制に機能しているかを明らかにすることを目的とする、色素性乾皮症細胞内における紫外線突然変異の生じる位置(塩基)が、相神性群によってどのように異なるかを知ることによって、ヒトの紫外線損傷の修復にいくつの修復遺伝子あるいは修復様式が関与しているか明らかにしたい。第二にマウス背部に紫外線で作らせた皮膚がんから培養した細胞に、DNA修復能の変化が生じる環境を明らかにし、発がんとDNA修復の関係を解明したい。研究経過と成果:シャトルベクターpZ189DNAに紫外線を照射し正常ヒト細胞内と色素性乾皮症細胞(A、F群)内で突然変異として発現させ、それを大腸菌で定性時に判定し、突然変異を起こしたDNAの塩基配列を解析した。色素性乾皮症細胞では、正常細胞にくらべてGCATの変化(トランジション)が多く(75%対45%)生じた。またUVでもっとも生じやすいと考えられるチミン(T)の変化よりも、シトシン(C)の変化の方が多かった(いずれもF群)。このことはGC塩基株の変化が正常細胞ではより修復されやすいことを意味する。マウス背部の紫外線誘発皮膚がん由来の約40細胞系位のうち、2系位はアルキル化剤交高感性で、O^6-アルキルグアニンアルキルトランスフエラーゼ活性が低下していた。ヒトのがん細胞ではその割合は約20%である。この違いは培養を長くすることによって小さくなると確定される。

研究成果

(8件)

すべて その他

すべて 文献書誌

  • [文献書誌] 武部啓: 科学. 59. 80-87 (1989)

  • [文献書誌] 武部啓: Gann Monograph on Cancer Research. 35. 3-9 (1988)

  • [文献書誌] 有田泉: Mutation Research. 208. 167-172 (1988)

  • [文献書誌] 八木孝司: Molecular Carcinogenesis. 1. 41-49 (1988)

  • [文献書誌] 武部啓: J.Investigative Dermatology. (1989)

  • [文献書誌] 武部啓: 神経研究の進歩. (1989)

  • [文献書誌] 武部啓: Genetics of Human Tumor in Japan. 1-234 (1988)

  • [文献書誌] 菅野晴夫: 目でみるがん研究. 1-98 (1989)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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