研究課題
5-ACでmutagenizeしたA-MuLVを感染させたNIH3T3細胞を5-fluoro-deoxyuridineを含んだsemi-solid medium中で、39℃で2日間培養し、生き残った細胞よりウイルスを回収するという方法で、軟寒天中のコロニー形成能が温度感受性(ts性)を示すAbelsonウイルス温度感受性変異株(ts mutant)を7株(tsos-41、-59、-110、-119、-121、-156、-170)分離するのに成功した(submittedtoJ.Gen.Vird).ウイルスのmutagenizationを含め、一連の分離操作が、7株各々について、完全に全く独立しているにもかかわらず、7株のts mutantは、すべて、軟寒天中で、コロニー形成能はts性を示すが、tyrosine kinase活性は、ts性を示さないことが判明した。さらに、tsOS-59でトランスフォームした未熟Bリンパ球は、細胞増殖及び分化(免疫グロブリン遺伝子の再構成の進行)に対しts性を示すが、tsos-41でトランスフォームした未熟Bリンパ球は両者に対しts性を示さないことも判明した。以上の結果は、(1)軟寒天中でのコロニー形成能がts性を示すが、tyrosine Kinase活性はts性を示さないという両者の解離。(2)tsOS-41は、NIH3T3細胞にはts性を示すが、未熟Bリンパ球にはts性を示さないという細胞種間でのts性の解離。(3)我々が用いたts muutantの分離系には、性質の似たts mutantを分離しやすいという未知のSelection pressureの存在、などの問題を提起している。
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