研究課題/領域番号 |
63015055
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
谷口 直之 大阪大学, 医学部, 教授 (90002188)
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研究分担者 |
石川 智久 大阪大学, 医学部, 助手 (60193281)
藤井 茂 大阪大学, 医学部, 助手 (60144482)
杉山 俊博 大阪大学, 医学部, 助教授 (00127242)
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キーワード | スーパーオキサイドデイスムターゼ / グリケーション / Werner症候群 |
研究概要 |
癌化における活性酸素の役割は、古くから論議されているが不明な点も多い。Superoxide Dismutase(SOD)は生体で産生される活性酸素のひとつであるスーパーオキサイド(O2^-)をH_2O_2とO_2に不均化する金属酵素であり、Cu-Zn-SODとMn-SOD、更に、extracellular SODなどのアイソザイムが存在する。ヒト癌組織ではSOD活性が著しく低下する。生体にとってはSOD活性が減少するとO2^-が蓄積する。O2^-は発癌プロモーターのメディエーターとされており、癌化など生体に種々の重大な障害をもたらすのみならず、細胞や組織の老化をもたらす。更にO2^-の生体は、結果としてHarber-Weiss反応よりOH・を生成する。 (1)遺伝性疾患Werner症候群における赤血球Superoxide dismutaseのグリケーション 常染色体劣性の遺伝疾患で老化や癌化を伴うWerner症候群患者の赤血球中Cu-Zn-SODが血糖値と関係なく非酵素的グルコシレーション(グリケーション)をうけることを見出した。また本患者から分離精製した Cu-Zn-SODは易熱性であり、multipleにグリケーションをうけることが明らかになった。 (2)ヒト肝癌組織のMn-SODのADP-リボシル化 ヒト肝癌から分離精製したMn-SODには酸性のチャーヂィソマーが存在し、この生成機序を検討したところ、非酵素的ADP-リボシル化が起ることを明らかにした。
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