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1988 年度 実績報告書

細胞の癌化におけるCキナーゼと癌遺伝子の相互作用

研究課題

研究課題/領域番号 63015056
研究機関神戸大学

研究代表者

高井 義美  神戸大学, 医学部, 教授 (60093514)

研究分担者 川原 康洋  神戸大学, 医学部, 助手 (80169755)
菊池 彰  神戸大学, 医学部, 助手 (10204827)
貝淵 弘三  神戸大学, 医学部, 講師 (00169377)
キーワード細胞増殖因子 / Cキナーゼ / fos遺伝子 / ras遺伝子 / GTP結合蛋白質
研究概要

私共は昨年度までの本研究で、細胞の癌化におけるCキナーゼと癌遺伝子との相互作用について解析を行ってきた。その結果、Cキナーゼがある種の細胞増殖因子の細胞内伝達系として働き、C-mycやC-fos遺伝子の発現を介して細胞周期のG_0/G_1移行を促進させることを明らかにしている。本年度は、CキナーゼによるC-for遺伝子発現の制御機構を解明する目的で、構成的に活性化されるCキナーゼのcDNA構築し、活性型Cキナーゼによるc-fos遺伝子の発現系を確立した。活性型Cキナーゼはジグリセリドに非依存性に細胞内で常に活性型であり、血清反応性エレメント(SRE)を介してc-fos遺伝子を発現させることを明らかにした。また、ras癌遺伝子産物(rasp21)はpc-12細胞においてCキナーゼやAキナーゼとは非依存的にSREを介して、C-fos遺伝子を発現させることも明らかにした。一方、私共はrasp21に類似する低分子量GTP結合蛋白質(G蛋白質)をウシ大脳から多数分離し、そのうちの4種類を精製することに成功した。これらのうちの2種類は既知のKi-rasp21とrho遺伝子産物であったが、他の2種類は新しいG蛋白質であり、私共はこれらのcDNAを単離して一次構造を決定し、それらをsmgp25Aとsmgp21と命名した。smgp25Aは神経系組織に特異的に発現しており、また、PC-12細胞が神経細胞様へ分化するのに伴って増加した。一方、smgp21は種々の組織に分布しており、rasp21のエフェクター領域と同じアミノ酸配列を有していた。以上の結果から、低分子量G蛋白質は細胞内伝達系の一部を形成し、Cキナーゼを介する受容伝達系とも密接に関連している可能性が高い。今後、これらのG蛋白質とCキナーゼの関連を解析する予定である。以上、本年度は予想以上の研究成果を達成することができた。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Kikuchi,A.: J.Biol.Chem. 263. 2897-2904 (1988)

  • [文献書誌] Matsui,Y.: J.Biol.Chem. 263. 11071-11074 (1988)

  • [文献書誌] Yamashita,T.: J.Biol.Chem. 263. 17181-17188 (1988)

  • [文献書誌] Kawata,M.: J.Biol.Chem. 263. 18965-18971 (1988)

  • [文献書誌] Kaibuchi,K.: J.Biol.Chem. (1989)

  • [文献書誌] Fukumoto,Y.: J.Biol.Chem. (1989)

  • [文献書誌] Takai,Y.: "Progress in EndocrinologY,1988" Elsevier Science Publishers, 995-1000 (1988)

  • [文献書誌] Kawahara,Y.: "Cell Differentiation,Genes and Cancer" IARC Scientific Publications, 102-117 (1988)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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