研究課題/領域番号 |
63015068
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研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
向井 常博 国立循環器病センター, バイオサイエンス部, 部長 (40108741)
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研究分担者 |
城圭 一郎 佐賀医科大学, 生化学, 助手 (90124809)
荒井 勇二 国立循環器病センター, バイオサイエンス部, 研究員 (30202724)
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キーワード | アルドラーゼA遺伝子 / アルトラーゼB遺伝子 / ゲルリタデーション |
研究概要 |
正常肝で強く抑制されているA型アルドラーゼ遺伝子AHリーダーエクソンが肝癌で強く発現する機構を明らかにするために、AHリーダーエクソンの制御調節領域の解析を行った。そのために上流3キロ塩基をもつ遺伝子にレポーター遺伝子としてCAT遺伝子を接続し上流の解析を行った。宿主としてHepG2細胞を用いたところ、上流から-314塩基対までの欠失変異体には活性の強さに変化が認められなかったが-198塩基対対までの変異体ではCAT活性の強さが約1/5に低下し、さらに-106まで欠失したところ活性はほとんど検出できなかった。以上の結果から-314と-198塩基間、-198と-106塩基間の間に発現を調節するDNAエレメントが存在することが予想された。そこで先ず-314〜-198塩基間の116塩基対のDNAを標識し種々の核抽出物を用いてゲルリタデーションアッセイを行ったところ2本のバンドが観察された。ついで得られたバンドの各核抽出物による違いを観察したところ、胎仔期の分化段階ではmajorバンドは15、16日目で強く出現したものの20日目、成体ではバンドは観察されなかった。一方HepG2、AH60cなどの肝癌ではmajorバンドは同様に観察されたがその移動度は胎仔期とは若干異なることがわかった。 一方B型アルドラーゼ遺伝子も同様に調節領域を明らかにするために各制限酵素の切断部位を利用して欠失変異体を作成した。ラット肝初代培養細胞に感染させた各欠失変異体の解析を行ったところ、転写開始点より上流166塩基内に組織特異性を決定するDNAシスエレメントが存在することがわかった。
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