研究課題/領域番号 |
63041035
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐藤 次高 東京大学, 文学部, 教授 (10012981)
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研究分担者 |
八尾師 誠 東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (20172926)
陣内 秀信 法政大学, 工学部, 助教授 (40134481)
鈴木 董 東京大学, 東洋文化研究所, 助教授 (50162962)
浜下 武志 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (90126368)
樺山 紘一 東京大学, 文学部, 助教授 (30027544)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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キーワード | イスラム / 都市性 / ネットワ-ク / 街区 / モスク / 中庭 / 市場 / 街路 |
研究概要 |
本調査では、イスラム都市社会の形成と変容の過程を解明するため、中東イスラム圏、南欧地中海圏、東南アジア圏の諸都市を主要調査対象とし、各文化圏における都市社会の構造を実地調査して比較・分析することを計画した。具体的な研究計画は以下の通りである。 1.イスラム文化圏の中心地域である中東圏については、アラブ、トルコ、イランの三主要地域について、南欧地中海圏および東南アジア・中国圏の専門研究者の協力を得て、共同調査を実施する。 2.南欧地中海圏については、イスラム文化圏との交流の要をなしていたヴェネツィアについて、ヴェネツィア専門研究者の参加を得て、共同調査を実施する。 3.イスラム文化圏の周縁に位置する東南アジア圏の諸都市については、タイ、シンガポ-ル、インドネシアを対象とし、東南アジア、中国圏の専門研究者の参加を得て、共同調査を実施する。 以下の計画に基づき、昭和63年度の調査研究は、計画の1、2を対象とし、二つのグル-プに分かれて行われた。第1グル-プ(浜下武志、鈴木董、陣内秀信、八尾師誠、三浦徹)は、カイロ、ダマスクス、アレッポ、イスタンブル、ヴェネツィア、テヘランなどの諸都市を対象に、旧市街の形成と発展、民家やモスク建築の特徴、都市社会の構造などを集中的に調査した。第2グ-ルプ(佐藤次高、樺山紘一)は、カイロ、チュニス、アルジェ、ラバト、マドリ-ド、ロ-マ、ダマスクス、ジャバラを対象にして、同じく旧市街の形成と発展、道路と建築様式の特徴、モスクと市場の社会的機能などに関する実地調査を行った。2つのグル-プとも、調査項目は多岐に渡ったが、社会生活の基礎単位となる街区(ハ-ラ、マハッラ)をできるだけ具体的に調べてみることが分担者全員に共通する問題関心であった。 平成元年度は、研究計画の3にもとづいて、東南アジアの3都市、バンコク、シンガポ-ル、ジャカルタの調査を行い、これらを中東のイスラム都市と比較することに主眼点がおかれた。分担者(佐藤、樺山、浜下、鈴木、陣内、八尾師)が、全員で一グル-プを構成し、モスクや市場、あるいは中国廟を中心に調査し、その結果を総合的に比較・検討した。 今回の調査は、さまざまな専門分野の研究者がチ-ムを編成し、それぞれが専門外のフィ-ルドに足を踏み入れて、都市を体験することに最大の特徴があったというよう。このような試みは、わが国初めてのことであり、中国研究者や南欧研究者によるイスラム都市の観察・体験によって、都市の比較研究を新しい視点から実施することができた。本調査によってえた資料、知見、比較研究をめぐる問題点などは、平成2年3月に刊行される報告書に盛り込まれている。 なお、本調査研究の実施と併行して、平成元年度には、「イスラムの都市性に関する国際会議」に、陳達生(中国)、A・K・ラ-フェク(シリア)の二氏を招へいし、比較研究のための研究者の国際的なネットワ-クづくりにも寄与した。
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