研究課題/領域番号 |
63041128
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 学術調査 |
研究機関 | 統計数理研究所 |
研究代表者 |
林 知己夫 統計数理研究所, 名誉教授 (50000188)
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研究分担者 |
KURODA YASUM ハワイ大学, 政治学部, 教授
林 文 東洋英和女学院大学, 人文学部, 助教授 (00180977)
佐々木 正道 兵庫教育大学, 学校教育学部, 助教授 (30142326)
鈴木 達三 統計数理研究所, 領域統計研究系, 教授 (90000190)
三宅 一郎 神戸大学, 法学部, 教授 (60066157)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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キーワード | 日本人の国民性調査 / 国際比較調査 / 連鎖的調査方法 / アメリカ調査 / ハワイホノルル調査 / ヨ-ロッパ3か国調査(仏、独、英) / Japanese culture / and values / Corrcspondencc analysis / Cultural Link Analysis |
研究概要 |
昭和63年度は 1)ハワイ調査実施(63年度海外学術調査として実施) 1972年、1978年及び1983年の調査実施により連鎖的調査方法の基礎が開発され、その有効性が確かめられてきた。1988年は継続調査項目による連鎖的調査方法の安定性の確認及び共通項目を利用した効果的な適用(質問項目の組合せ)方法を考え、調査項目を選定し調査を実施した。調査完了は509、集計サンプルは499である。(1988年ホノルルで実施) 2)アメリカ本土全国調査実施(実施は特別推進研究による) これまでの調査経験があり、連鎖的調査方法を効果的に適用できるとともに、この連鎖的調査方法の安定性及び拡大をはかるため、アメリカ本土における調査を実施した。調査項目は日本調査及びヨ-ロッパ調査と共通。調査回収サンプル数は1563。これは前回1978年アメリカ調査と同じ規模である。 平成元年度は 昭和62年度・63年度に実施した調査の調査結果を整理し、集計分析用共通ファイルを作成した。これに基づき、関連調査との比較を行うとともに、各国共同研究者との結果分析・検討を行なった。具体的には、 1)62年度実施のヨ-ロッパ調査(仏、独、英)および63年度実施の日本調査、アメリカ本土調査、ハワイホノルル調査(63年度海外調査で実施)の各調査を個別に整理し、デ-タ・クリ-ニングをおこない、コ-ド・ブックを作成した。 2)各個別調査の各質問項目および回答者属性項目の回答肢を標準化し、共通ファイルを作成し、コ-ド・ブックを作成した。 3)各個別調査ごとに関連調査との比較分析を行ない、各国における調査結果の経年的動向に関する基礎資料を得た。さらに、日本調査、ハワイホノルル調査、アメリカ本土調査については連鎖的比較調査方法の安定性を検討した。 連鎖的調査方法の方法論を確立するため、調査の結果分析を、当研究グル-プ及び各国共同研究者が独自に行ない、それを単に比較するだけでなく、独自の分析結果をもちより、パリ(国立高等電通大学院)、ケルン(ZA)、マンハイム(ZUMA,調査解析センタ-)、ブリュッセル(EC委員会)、ウィ-ン(ヨ-ロッパ社会科学センタ-)等で、共同討議を重ねた。これにより、同異の本質的な部分を客観的にとらえることの可能性が確かなものとなった。また、アメリカでは、スタンフォ-ド(フ-バ-研究所)で、日本とアメリカの国民性に関する研究会を行ない、社会調査デ-タにもとずく国民性研究の基本的問題点および調査デ-タによる国際比較研究の問題点を討議した。これにより、国際比較研究における連鎖的調査方法の具体化にとって有効な方策、および調査デ-タによる比較分析方法の改善の方策について知見を得た。 調査結果を要約してみると、以下の通りである。 日本、アメリカ、両者の調査デ-タは1978年調査、1988年調査とも安定しており、この10年間の変化はごく少ない。一方1988年ハワイ調査の結果は、1972年よりの継続調査(4回目)として分析検討した。前回1983年度調査と比較したとき、環境等2、3の項目に時代の影響がみられるほか、変化はほとんどなく回答結果は安定している。これにより連鎖的調査方法の具体化にとって一層確実な基盤ができた。またハワイ日系人に関しては4回の調査結果を経年的に分析し、世代の交代による内部構造の変化が着実に進みつつあることが確認された。詳しくは報告書“The Fourth Attitudinal Survey of Honolulu Residents,1988"を参照のこと。
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