研究課題/領域番号 |
63044021
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
石原 武 筑波大学, 物理工学系, 教授 (30111363)
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研究分担者 |
戸嶋 信幸 筑波大学, 物理工学系, 助教授 (10134488)
島倉 紀之 新潟大学, 教養部, 助教授 (40111314)
佐藤 浩史 お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (10017197)
向山 毅 京都大学, 化学研究所, 教授 (20027048)
松澤 通生 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (10010943)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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キーワード | 多価イオン / 原子衝突 / 電離 / 励起 / 電荷移動 / ト-マスピ-ク |
研究概要 |
1.二重衝突による粒子捕獲過程のいわゆるThomasピ-クは量子論においては中間状態のエネルギ-不確定性によって広がりを受ける。この広がりを反兆粒子の速度分布に着目して解析した。 2.相対論的な結合方程式において電離状態の寄与を見積るため偽状態を導入した。励起、電荷移行の両断面積ともに改良がみられ、電離断面積においては、実験値とよい一致が得られた。また、偽状態の直交性がロ-レンツ変換によって破れること、有限項による展開では断面積がフレ-ム依存性を持つことなど、非相対論的扱いでは考えられないことが起こることが発見された。 3.FiniteーBasisーset法に偽状態を導入することにより、イオン・原子衝突における内殻励起と電離の断面積をdistortion近似で計算した。He型のFeのイオンで種々の標的原子を照射したときの入射イオンの1sー2p、1sー3p励起断面積を計算し、標的の原子番号の増加に伴って断面積が一定値に近づくことを示した。 4.HeおよびH^-とイオンの衝突において、2電子励起状態への電子相関効果の役割を超球座標の導入により調べた。電子相関の強い場合、両端に電子を置く線形三原子分子のごとく振舞うことが判明した。但し、電子はフェルミオンであるため排他律を受ける点が分子とは異なり、HeとH^-ではそれによる修正の受け方に違いのあることを見いだした。 5.電子走行因子を含めた分子基底を用いることにより、(N^<5+>+H)系、(C^<5+>H)系、(N^<5+>Na)系での電子捕獲過程の研究を行った。低エネルギ-側では量子論による3チャンネルの結合方程式を、また高エネルギ-側では衝突係数法に基づく13チャンネルの結合方程式を数値的に解くことにより、10meV/amuから10keV/amuの非常に広い衝突エネルギ-範囲で断面積を求めた。 6.多電子系の電荷移行を扱うため、DVーXα法を用いた計算コ-ドの開発を行った。米国LLNLの計算センタ-に通信回線を通じて直接アクセスし計算を実行することにより日米協力を行った。 7.メタン、エタン、シランなどの比較的大きな分子に対して、Continuum multipleーscattering法を適用して分子の連続状態を計算し、衝突断面積を求めた。
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