研究分担者 |
MONDAL N.K. タタ研究所, 物理部, 講師
KRISHNASWAMY タタ研究所, 物理部, 助教授
NARASIMHAM V タタ研究所, 物理部, 教授
SREEKANTAN B タタ研究所, 物理部, 特任教授
MENON M.G.K. タタ研究所, 物理部, 名誉教授
林 嘉夫 大阪市立大学, 理学部, 講師 (00106337)
川上 三郎 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (40047337)
三宅 三郎 神奈川大学, 工学部, 教授 (50013339)
N. K. Mondal Tata Institute of Fundamental Research, Fellow
M. R. Krishnaswamy Tata Institute of Fundamental Research, Senior Fellow
V. S. Narasimham Tata Institute of Fundamental Research, Professor
B. V. Sreekantan Tata Institute of Fundamental Research, National Professor
M. G. K. Menon Tata Institute of Fundamental Research, Professor Emeritus
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研究概要 |
インドコラ-金鉱地下深部6,045及び7,000米水深相当に建設した三基の装置は、立体的に現象の形状が得られると同時に各部のイオン化損失から粒子の判別とそのエネルギ-が観測出来る。世界最深の利点を生かして他では得られない以下の様な結果を得ている。 1.単一ミュ-中間子:主として(イ)角度分布(ロ)深度ー強度関係及び、(ハ)エネルギ-分布の研究を行った。角度分布では地下深部のため大気中ミュ-中間子とニュ-トリノ発生ミュ-中間子が極めて明瞭に区別出来、それらの測定値は期待値とよく一致している。深度ー強度関係では、11,000米水深相当まで観測され、エネルギ-スペクトラムは地上に於て,約250TeV迄観測され、世界最高のエネルギ-値迄の分布を得ることが出来た。 2.平行多重ミュ-中間子群:(イ)角度分布(ロ)多重度分布(ハ)デコヒレンス分布及び、(ニ)ミュ-中間子束の解析を通して、一次線の化学組成及び核相互作用についての研究を行った。前者については〜10^<15>eV以上の領域では重い原子核の割合が次第に多くなる事、後者については、多重ミュ-中間子束の本数分布が多重度の高い所で期待値より高い頻度で観測され、地下6,045米水深相当で得れたミュ-中間子束は20本の飛跡が半径数米内に集中し重粒子核でもその頻度は説明し難く一次線エネルギ-約10^<17>〜10^<18>eV以上の相互作用の特性変化を示唆している様に思われる。 3.ミュ-中間子の直接発生:大気中の天頂角分布が50TeV以上の一次宇宙線エネルギ-についての相互作用での直接発生についての解析を行った。観測されたミュ-中間子のエネルギ-は8〜250TeVに亘り、直接発生ミュ-中間子のパイ中間子に対する比率は、パイ中間子の微分エネルギ-スペクトラムと共に変わりγ=2.7ではX=μ_D/π、K=(0.9±0.2)×10^<ー3>を得ている。 4.ニュ-トリノ点源探索:天頂角55゚(7,000米水深相当)及び60゚(6,045米水深相当)以上の現象は、観測された角度分布から、ニュ-トリノが岩石内で創り出した、μ中間子と考えられる。これらの内、検出器内に2m以上の飛跡を残した現象196例について天球上での分布を調べたが、現時点では点源と考えられる有意な結果は得られなかった。この結果に基づき、8つのX線源に対するニュ-トリノの線束及びルミノシティの上限値を推定した。 5.ニュ-トリノによる重い長寿命粒子:ニュ-トリノ現象の中に、大きい開角を持ち、透過粒子とシャワ-現象を示し、その交点が空気中にある重い長寿命新粒子の存在を示唆する特異現象が存在する。この種の現象はその発生頻度はきわめて低く岩石内発生ニュ-トリノ現象の約1〜2%程度と推定される。稀現象の為、崩壊モ-ドをも含めた長期観測が必要である。 6.磁気単極子の探索:K.G.F.検出器の利点を生かして、GUT磁気単極子を(イ)電離損失法(ロ)飛行時間差法及び、(ハ)触媒法の三方法で探索したが、該当する現象は一例も観測されず、その線束の上限値として2.1×10^<ー15>/cm^2・sec・strを得ている。これはガス比例計数管による測定値として最も良い値を与えている。 7.陽子崩壊:現在までに1,100トン・年の観測で、11例の候補例を得ている。K中間子を含む崩壊モ-ドが多い様に思われる。推定される鉄原子核中の粒子の寿命は約3.1×10^<31>年と推定される。長期観測が望まれる。
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