研究課題/領域番号 |
63050025
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
笹尾 真美子 名古屋大学, プラズマ研究所, 助手 (00144171)
|
研究分担者 |
福政 修 山口大学, 工学部, 助教授 (20026321)
津田 博 同志社大学, 工学部, 教授 (50066049)
和田 元 同志社大学, 工学部, 講師 (30201263)
佐藤 浩之助 名古屋大学, プラズマ研究所, 助教授 (80023737)
藤田 順治 名古屋大学, プラズマ研究所, 教授 (50023700)
|
キーワード | アルファ粒子計測 / 負イオン源 / 表面生成 / 仕事関数 / 体積生成 / He^- / Li^- |
研究概要 |
H^-、He^-、Li^-の負イオン源開発は、DTプラズマ中のα粒子計測を実現する上で重要と考えられており、本研究ではそのシステム設計に必要なこれら負イオン生成に関するイオン源内の基礎過程について実験的及び理論的研究を行った。 He^-については表面生成型負イオン源を用いてどの程度のHe^-が生成可能か調査した。この時セシウム蒸気を供給して負イオン生成表面の仕事関数を低下させる。負イオン生成時にこの仕事関数を評価するため、Arレーザーや色素レーザーを入射して光電子電流を測定するシステムを開発し、生成表面状態を最適化した上でHe^-生成量を求めた。その結果負イオン生成効率は水素放電時に生成されるH^-の千分の一以下であり、α粒子計測用イオン源として実用化するのはかなり困難である事が判明した。しかし今回の研究のために開発した仕事関数のモニター法は、プラズマ電位測定用の重イオン源等、他の表面生成型負イオン源の開発にも応用する事ができる。 Li^-については、表面生成、体積生成の二方式のイオン源を開発し、それぞれの生成量と特性を調査した。表面生成では、Li金属上にセシウムや酸素を吸着させて低仕事関数面を作り、ここからスパッタリングでLi^-を生成した。同時にO^-/H^-等の不純物イオンもかなり生成されるものの、仕事関数の調整によりα粒子計測に必要となる程度のLi^-電流が可能である事が判明した。Li^-の体積生成型イオン源については、放電電力7Wに対し約7μA/cm^2の電流密度が得られ、放電電力の増大、放電容器の内壁温度の増加により更に増大の可能性がある。しかも不純物負イオン量が極めて少なく、α粒子計測への適用の可能性は充分ある。 今回の研究により表面法と体積法による負イオン生成にかかわる重要因子を明らかにする事ができ、今後の計測用負イオン開発が期待される。
|