研究課題/領域番号 |
63055010
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮 健三 東京大学, 工学部, 教授 (30011191)
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研究分担者 |
関 昌弘 日本原子力研究所, 主任研究員
橋本 光男 東京大学, 工学部, 助手 (90198698)
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キーワード | 核融合 / 第一壁 / リミタ / ダイバータ / 欠陥診断 / 欠陥探傷 / 黒鉛材料 / 渦流探傷 / 渦電流解析 |
研究概要 |
核融合炉の多くの機器の中で、炉心構造物(第一壁、リミタ/ダイバータ)は、特に過酷な環境条件下で使用される。この炉心構造物に黒鉛材料または、その複合材の使用が検討されている。しかし黒鉛材料は脆性材料的な振舞いを示すので、その寿命評価やメンテナンスのためには炉内環境を考慮した黒鉛材料に適する欠陥診断法の確立が、重要となる。本研究では、この欠陥診断法にこれまでにはあまり例のない渦電流探傷法を適用し、黒鉛材料に対する新たな欠陥診断手法の開発を行った。 黒鉛材料に渦電流探傷法を適用するために、以下の課題について検討した。 (1)黒鉛材料の高い電気抵抗に合わせて、試験周波数を1MHz以上使用できるように改造。 (2)各種形状面に適する表面探傷用のプローブの開発。 (3)黒鉛材料に特有な密度むらの処理。 (4)プローブの設計や動作を明確にするための渦電流・インピーダンス解析コードの開発。以上のような検討により以下の結果を得た。 (1)欠陥診断特性:黒鉛材料の表面欠陥探傷に適し、広範囲な領域をカバーできるプローブを開発した。欠陥サイズの検出特性、周波数特性リフトオフ特性及び内部欠陥の探傷特性等を求めた。 (2)微小欠陥検出特性:微小欠陥用の小型プローブを開発し、円柱状欠陥(0.2mmΦ深さ0.2mm)及び割れ欠陥(長さ1mm深さ0.2mm)の欠陥を位相情報を用いて検出できた。 (3)黒鉛材料の密度のむら影響:黒鉛材料の密度と渦電流探傷信号の相関を求めた結果、密度に比例した信号が得られ、密度評価・黒鉛材料の異方性診断にも応用できることが解った。また密度のむらが欠陥の検出限界に大きく影響することも解った。 (4)渦電流解析コードの開発:2次元及び3次元渦電流解析コードを開発し、探傷領域や磁場配置を明確にして、プローブの開発に役立てた。
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