研究課題/領域番号 |
63060002
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研究機関 | 東京工科大学 |
研究代表者 |
鈴木 秀次 東京工科大学, 工学部, 教授 (00011411)
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研究分担者 |
中島 哲夫 高エネルギー物理学研究所, 放射光実験施設, 助教授 (20005888)
鈴木 敬愛 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (70013208)
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キーワード | 固体ヘリウム / 格子欠陥 / 転位 / X線トポグラフィ / 共焦点型レーザー顕微鏡 / カーボン繊維強化プラスチック |
研究概要 |
この研究に用いる主要設備の製作と技術の開発を進めた。今年度購入の主要装置はいずれも交付申請書通りの性能をもつことが確認された。旧クライオスタットを用いて撮影されたX線トポグラフをX線トポ用高性能写真顕微鏡装置で種々の方法によって観察撮影し、高分解能の明快な像を得るための手順を探求した。高倍率の対物レンズを用いて原子核乾板を観察すると、単にレンズの焦点深度が浅いだけでなく、感光膜中の銀粒子によって散乱された光の干渉模様が現れ、顕微鏡写真にトポグラフと直接関係のない細い曲線が見られることが多い。透過光学顕微鏡で最も忠実な高分解能写真を得るのは、10倍の対物レンズで撮影された写真を拡大して最終倍率1000倍程度にする場合である。これには対物レンズの開口数が十分大きくなければならぬが、今年度購入の顕微鏡はそれだけの性能をもっている。 数年前から国内外で開発されてきた共焦点型レーザー顕微鏡は、見かけ上無限大の焦点深度をもち、しかも普通の光学顕微鏡の2倍近い分解能があるといわれている。最近この顕微鏡が市販され始めたことを知り、試用してみた。大きな銀粒子からの反射が過度に強調されるので、転位像は見難かったが、これは画像処理によって容易に補正できる。この新しい顕微鏡を用いれば、感光膜中の全銀粒子の位置を正確に知り、それからトポグラフを再構成するという計画を、当初予想していたよりはずっと容易に実現できることになる。またベリリウムに代わるX線用窓材として、カーボン繊維強化プラスチックのX線に対する諸特性を測定した。低エネルギー領域で単純なハロー・パターンが現われるが、回折斑点が見られない点でベリリウムより優れ、またX線の吸収係数もベリリウムの2倍程度で十分利用可能であることを確認した。
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