研究課題/領域番号 |
63060002
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研究機関 | 東京工科大学 |
研究代表者 |
鈴木 秀次 東京工科大学, 工学部, 教授 (00011411)
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研究分担者 |
中島 哲夫 高エネルギー物理学研究所, 放射光実験施設, 助教授 (20005888)
鈴木 敬愛 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (70013208)
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キーワード | 固体ヘリウム / 格子欠陥 / X線トポグラフィ / 共焦点型レーザー顕微鏡 / 希釈冷凍機 |
研究概要 |
この研究計画では基本的な実験設備の製作、試運転及び実験結果の解析方法の確立を今年度中に終えることになっていたが、ほとんど計画通りに進行し、明年度から本格的な実験を開始できる準備が整った。すなわち、高エネルギー物理学研究所放射光実験施設において本実験を進めるのに必要な条件を満足するように設計された実験ステーションBL-3C_2が設置された。この実験ステーションはマシン・タイム終了後も希釈冷凍機等を取り外す必要はなく、冷凍機試運転、予冷をマシン・タイム前に行うことが可能で実験の成功率を格段に向上させることができる。前年度に完成したX線トポグラフ自動撮影装置は、今年度東京大学生産技術研究所において種種のテストと調整が繰り返され、乾板の自動送り機構の改良と、自動運転のためのパソコン・ソフトの組込みが行われた後、高エネルギー研に搬入し、BLー3C_2のシールド・ルーム内に設置された。X線トポグラフ用希釈冷凍機及び冷凍機周辺機器はすべて納入されており、これらの総合的試運転は3月末に行うことになっている。また希釈冷凍機に組み込まれる固体ヘリウム試料室は、超低温における回転機構を含むので金属表面処理技術の最近の進歩を取り入れて新たに設計し、東大・生産研において製作中である。 今年度購入された共焦点型レーザー顕微鏡を用いて、原子核乾板に撮影されたX線トポグラフの像が観察され、感光膜中の銀粒子の大きさと密度が感光膜表面付近と内部で著しく異なり、普通の光学顕微鏡像の解釈には細心の注意が必要であることが判った。しかし共焦点型レーザー顕微鏡では銀粒子の位置を0.2μm程度の精度で観察できるので、回折X線の分布を同程度の精度で決定できる可能性があることを明らかにし、今後の画像解析の方法の指針を得た。
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