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1990 年度 実績報告書

固体ヘリウム中の格子欠陥のX線トポグラフィによる研究

研究課題

研究課題/領域番号 63060002
研究機関東京工科大学

研究代表者

鈴木 秀次  東京工科大学, 工学部, 教授 (00011411)

研究分担者 中島 哲夫  高エネルギー物理学研究所, 放射光実験施設, 助教授 (20005888)
鈴木 敬愛  東京大学生産技術研究所, 教授 (70013208)
キーワード固体ヘリウム / 転位 / X線トポグラフィ / 希釈冷凍機 / 像のコントラスト
研究概要

昨年度までに建設された実験設備を用いて ^4He結晶のX線トポグラフィの実験を始めた。しかし,内部で回転する大きな試料室を取りつけたために熱負荷が増大し,また回転操作のさいの熱流入などのために冷却上の困難が発生し,さらに90°反射を用いる場合に散乱X線によるバックグランドの増大が予想を上回って大きいという問題に遭遇した。
冷却については熱接触の改良,液体ヘリウムの移送方法の改善によって希釈冷凍機温度までの冷却が確実に出来るようになり,成長させたヘリウム結晶を,X線回折斑点を見ながら,融かすことなく回転させることが出来るようになった。
しかし90°反射方向の散乱X線を減らすためには試料室を改造する必要がある。それは時間を要することなので取り合えず回折角の小さな反射を用いてトポグラフの撮影を行なった。
他方固体ヘリウム中ではX線の消衰距離が試料の大きさの程度であるから,回折の運動学的理論によってトポグラフのコントラストを論ずることができる。転位を含む結晶のXトポグラフをシミュレ-トして次の結晶を得た。多くの場合転位の芯の部分からの反射は弱く,幅約10^<ー4>cm程度の白い線が得られる。X線の入射方向とバ-ガ-ス・ベクトルの関係が変ると白黒2本の線になることもあるが,動力学的効果が主となって得られる転位像に比べて幅は狭い。今回のトポグラフは分解能が改善されており,シミュレ-ションの結果と比較することによって1本1本の転位を分離して観察できるようになったと結論できる。しかしまだ転位像のコントラスが弱いので,これを強くするため90°反射のトポグラフを撮る努力をしている。この方向の散乱X線のバックグラウンドの少ない試料室の製作を進めている。

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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