• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1988 年度 実績報告書

視覚化手法によるコロイド結晶欠陥及び反応速度論に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 63060003
研究機関京都大学

研究代表者

伊勢 典夫  京都大学, 工学部, 教授 (00025868)

研究分担者 伊藤 研策  京都大学, 工学部, 日本学術振興会特別研 (10192494)
松岡 秀樹  京都大学, 工学部, 助手 (40165783)
北野 博巳  京都大学, 工学部, 助手 (40115829)
曽我見 郁夫  京都産業大学, 理学部, 教授 (20065832)
キーワードコロイド結晶 / 高分子ラテックス / イオン性高分子 / 溶液構造 / X線小角散乱 / 限外顕微鏡 / 2次元フーリエ変換 / オストワルド熟成則
研究概要

1.スチレンまたはメチルメタクリレートを母体とする高分子ラテックスを合成し、表面電荷数と粒径を大きく変化させた。また重合時に蛍光染料を添加して蛍光顕微鏡観察可能なラテックスをも合成した。
2.ラテックス分散系の顕微鏡観察により粒子の分散状態を直接記録し、さらにフーリエ変換を行って散乱像を決定した。これにより、粒子が規則構造を形成しているときスポット状散乱像が、いわゆる二状態構造が形成されているときは、少数のハロー状の像が得られた。
3.コロイド結晶の成長速度を決定するため、形成された構造を塩添加により破壊し、これにイオン交換樹脂を加えて脱塩させ、脱塩後に結晶が成長する過程をビデオ録画によって追跡した。この結果、ある程度以上大きい構造は単調に成長し、小さな構造は消失することが判明した。これはオストワルド熟成則と呼ばれる現象であり、構造の界面エネルギーの寄与、したがって粒子間引力の存在を証明している。
4.比較的小粒径の蛍光性ラテックスにつき、顕微鏡観察により構造形成を直接確認するとともに、動的散乱法により分散系内部における構造性を調査し、両者の間に整合性のあることが明確になった。
5.シリカ粒子分散系につき、X線小角散乱実験を行い、この系にあっても散乱曲線にブラックピークの出現することを確認した。また独立に誘導したパラクリスタルの散乱理論との比較から、シリカ粒子が溶液中で面心立方あるいは体心立方格子を形成していることが明瞭になった。
6.本計画に含まれる超小角領域での散乱挙動を予備的に調査するため、支出計画の一部変更措置により、研究分担者の一人をドイツ連邦共和国核研究施設に派遣し、イオン性高分子溶液について中性子小角散乱実験を行い、超小角領域にこれまで報告のなかった挙動を観察することに成功した。これは系内に密度ゆらぎが存在することを意味し、本研究計画の推進に明るい展望を与えるものである。

  • 研究成果

    (12件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (12件)

  • [文献書誌] Kensaku,Ito: Journal of the American Chemical Society. 110. 6955-6963 (1988)

  • [文献書誌] Hideki,Matsuoka: Physical Review B. 38. 6279-6286 (1988)

  • [文献書誌] Kensaku,Ito: Physical Review B. 38. 10852-10859 (1988)

  • [文献書誌] Norio,Ise: Macromolecules. 22. 1-7 (1989)

  • [文献書誌] Hiromi,Kitano: American Chemical Society Series 384(Polymer Association Structures). 284-296 (1989)

  • [文献書誌] Kensaku,Ito: Journal of American Chemical Society. (1989)

  • [文献書誌] Tsuyoshi,Shimobouji: Physical Review A. (1989)

  • [文献書誌] Naoki,Tanaka: Macromolecules. (1989)

  • [文献書誌] Kensaku,Ito: Physical Review B. (1989)

  • [文献書誌] Junpei,yamanaka: Journal of Colloid and Interface Science. (1989)

  • [文献書誌] Ikuo,Sogami: Phase Transitions. (1989)

  • [文献書誌] 曽我見郁夫: 固体物理. (1989)

URL: 

公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi