研究課題/領域番号 |
63103016
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
渡部 力 理化学研究所, 原子過程研究室, 主任研究員 (40010714)
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研究分担者 |
原 俊介 筑波大学, 物理工学系, 講師 (10091919)
戸嶋 信幸 筑波大学, 物理工学系, 講師 (10134488)
石原 武 筑波大学, 物理工学系, 教授 (30111363)
島村 勲 理化学研究所, 原子過程研究室, 副主任研究員 (30013709)
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キーワード | ミュー中間子 / ミュー中間子の反応 / ミュー中間子分子 / ミュー触媒核融合 / 古典軌道モンテカルロ法 / 組み替え衝突過程 |
研究概要 |
前年度に引続き(1)(μ^+μ^-)原子の生成過程の研究、(2)ミュー中間子分子のエネルギー準位の精密計算、(3)ミュー中間子の移動反応過程の定式化と断面積の計算、(4)(Pαμ^+)分子の発光X線スペクトルの研究を行った。 (1)(μ^+μ^-)生成過程の研究では(μ^-p)+M^+や(μ^+e)+μ^-の反応から(μ^+μ^-)を得る計算を行った。われわれは量子力学的方法と古典軌道モンテカルロ法を用いた計算を行ない、両者を比較することによりその妥当性を検討した。いままで第1次ボルン近似、第1次歪曲波近似、アイコナル近似および古典軌道モンテカルロ法を用いている。この反応で1次ボルン近似が当初の予想に反してかなり良い結果を与えることが分った。 (2)ミュー中間子分子のエネルギー準位の精密計算(ppμ^-)^+(ddμ^-)^+(ttμ^-)^+(d+μ^-)^+等の中間子分子の電子状態のエネルギーをスフェロイダル座標を用いて標式化し変分法で求めた。従来の計算値に較べて改良され信頼性の高い値が得られた。また長動径座標を用いた展開が良いことが示された。 (3)ミュー中間子の移動反応の定式化と断面積の計算、ヤコビ座標を用いてB^+(Aμ^+)→(Bμ^+)+Aの低エネルギー領域での断面積の定式化を行い、この方法が将来速いことが分った。また古典軌道モンテカルロ法を用いて中エネルギー領域の計算を行った。 (4)(pαμ^-)^+分子の発光スペクトル、先に開発した計算プログラムコードを用いて(pαμ^-)^+分子の励起状態から解離基底状態への遷移に伴なう発光X線スペクトルの計算を行った。計算の結果短波長側にあらわれるかも知れない第2の最大値は主ピークの1/30程度である。又この遷移発光確率は従来の計算のものより1折大きいことが解った。
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