研究課題/領域番号 |
63300006
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
道家 達将 東京工業大学, 工学部, 教授 (40016340)
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研究分担者 |
中条 利一郎 東京工業大学, 工学部, 教授 (60016285)
奥島 基良 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (80016766)
鈴木 務 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (10017311)
川野辺 渉 東京工業大学, 工学部, 助手 (00169749)
西村 康 奈良国立文化財研究所, 発掘技術室, 室長 (80000488)
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キーワード | 窯跡 / 磁気探査 / 電気探査 / 地中レーダー |
研究概要 |
歴史・考古遺構の位置を発掘によらず推定するために、電気、磁気、電磁波、音波探査などの手法が現在使われている。しかし、これらの探査手法が様々な遺構に対して、どの程度の有効性があるかを研究した例はない。本研究では、あるひとつの遺構に対して、複数の探査手法を適用し、各々の手法により得られたデータを発掘結果と比較することによりそれらの有効性を検討した。 探査は、長野県佐久市、宮崎県新富町、茨城県三和町、福島県会津若松市で行なった。特に会津若松市では、磁気探査、電気探査、電磁誘導法探査、地中レーダーの4つの手法を一遺跡に適用した。これらの探査実験により以下の結果が得られた。 1.窯跡においては、プロントン磁力計、または、フラックス・ゲート磁力計のどちらを用いた場合も、窯跡付近で大きな磁気の変化を検出し、磁気探査が窯跡の位置推定に対して有効であることが確認された。 2.一方、大地比抵抗計、及び電磁誘導法による電気伝導度の測定結果からは、窯跡付近に比抵抗または電気伝導度の変化は認められず、これらの手法が窯跡に対して有効でないことが確認された。 3.しかし、大地比抵抗計では、窯跡に隣接する灰バラと周辺土壌との境界で比抵抗値に大きな変化を示し、磁気探査との併用により更に精度のよい位置推定を行える可能性を示唆している。 4.地中レーダーを用いた場合では、窯跡付近で変化が認められるものの、土中埋蔵物などの窯跡以外による変化も同程度に認められ、地中レーダー単独での位置推定は非常に困難であることが確認された。 本年度は対象となる遺構を窯跡に限定したが、次年度では住居跡、堀、などその他の遺構に対しても同様の探査実験を行ない、各探査法の有効性を明らかにする必要があると考えている。
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