研究課題/領域番号 |
63300007
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
武者 利光 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (70016319)
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研究分担者 |
川久保 達之 東京工業大学, 理学部, 教授 (10016040)
佐藤 俊蒲 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (60014015)
櫛田 孝司 大阪大学, 理学部, 教授 (00013516)
山本 光璋 東北大学, 工学部, 教授 (40004618)
沢田 康次 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (80028133)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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キーワード | ゆらぎ / 白己組織化 / 生体情報 / 振動 / 反応 / 粘菌 / リズム / 同期 |
研究概要 |
細胞内部や細胞間で情報がどのように符号化されて伝達され、それが生物の白己方御にいかなる役割を果たしているのかを解明し、さらに高等動物の認識・判断、記憶び神経糸を経由しての情報伝達、処理の各能フエーズに存在する「ゆらぎ」が単なる雑音ではなく、むしろ合理的かつ合目的的に仕組まれた生体信号である司性が非常に大きい。この可能性を明確にしようということを目的としてこの総合研究が組織された。昭和63年に始まったこの研究を振り返ってみると、上記の目的のどれだけが達成されたか反省するところがおおいが、これだけの重要なテ-マが3年で解決すると孝えるのはあまりにも短気に過ぎる。しかし、3年前に研究を開始した時点からすると4回の研究会を経て幾つかの点で大きな進歩があったといってよかろう。生体に存在する「ゆらぎ現象」について積極的な認織が大分深まってきたことは、この総合研究の研究成果報告書に明らかにされている通りである。個体としての制御に「ゆらぎ」を関係付けてきたのは、粘菌の運動、生体リズムの「1/fゆらぎ」、脳波のコヒ-レンスなどのがあるが、もう少し下のレべルの現象として脂質膜の自励発振現象と白己組織作用も「ゆらぎ」と関係付けて随分議論された。さらに蚕白質の構造転移の問題から非平衡開放系のダイナミカルな性質が統計物理学的な見地から再三議論された。生体の制御という問題提起から始まり、研究分担者以外に毎回の研究会に関連の研究者を含めたことを、および特別講演として毎回異色の講演をお願い出来たこと、さらに非可逆性や時間反転性の間題、定常性、詳細釣り合いの間題など物理学の基礎的な事項について改めて堀り下げた議論が出来たことは、これからの研究の発展の方向を見いだす手掛かりを与えた。研究期間が終了した後もこの研究が道展し初期の目的が達せられる日は遠くないものと期待している。
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