研究課題
本研究の推進に当たっては、経済班(農業、工業、サービス産業に関する各データベース作成班)、データベース・システム開発班および総括班を構成し、各研究分担者の緊密な相互連携の下に研究を行った。本年度は、拠点調査地区として、中国地域では津山市および東広島市を、四国地域では今治市および丸亀市を選定し、以下のような具体的な研究手法を決定して、焦点を絞った調査研究を実施した。(1)データベース作成の目的:産業経済にかかわるデータベースの確立に当たっては、利用目的によってデータベースのあり方が違ってくるため、「地域産業開発および土地利用の基本方向を模索するための前提となる地域産業構造や地域特性を明らかにする」ことを目的とし、各産業の地域区分とデータベースの確立を図るとともに、最終的には各地域の産業均衡度(バランス特性)を明らかにすることにしている。また、各産業の地域特性を求めるための規則をルール化して、知識ベースシステムの試行を行うことにし、目的をもったデータベースシステムの確立を図ることにした。(2)分析手法:地域特性の把握については種々な手法があるが、本研究では農業的地区分級(農業振興度の把握による地域区分法)の方法を参考にし、主成分分析等の手法を応用して、各産業の振興度、産業構造のバランス度などを把握し、最終的には地域区分図を作成し、一方では、利用目的に対応したデータベースの確立を図ることにした。また、地域区分の単位は、農業については農業センサス集落(小字程度)、工業・サービス産業等についてはデータ入手の可能性から旧町村とした。なお、農業・工業・サービス産業のいわゆる総合的な産業振興度を把握し、そのための総合的な産業のデータベース化を図るため、農業の地域区分の単位を工業・サービス産業と同じ旧町村単位にそろえた分析も行った。