研究課題/領域番号 |
63301003
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
江島 恵教 東京大学, 文学部, 教授 (70115103)
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研究分担者 |
田中 教照 武蔵野女子大学, 文学部, 教授 (20105935)
宮元 啓一 国立学院大学, 文学部, 助教授 (40190813)
木村 清孝 東京大学, 文学部, 教授 (40140355)
原 実 東京大学, 文学部, 教授 (40011283)
前田 専学 東京大学, 文学部, 教授 (40011366)
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キーワード | インド思想 / インド仏教 / 中国仏教 / 東アジア仏教 / 言語 / 真理概念 |
研究概要 |
仏教思想における言語の機能には、インド、中国、日本等を通じて一貫している部分がある。すなわち、真理表現に関しては、つねに二次的な役割を付与され、限界をもつ。ただし、その二次的な役割のもつ意味は、時代・地域によって微妙に異なる。本研究課題の目的は、それを明確にする点にある。本年度は、各グル-プごとの研究活動・研究会に中心を置き、全体的な研究会議はもたなかった。ただし、研究分担者相互の連絡は密に行なわれ、一定の成果を得ることができた。 研究分担者原・土田・上村はそれぞれsatya-uacana,svadhyaya,rasa理論についての研究を遂行し、また前田・宮元・谷沢はヴェ-ダ-ンタ学説・インド論理学、言語哲学理論における言語の問題を追求した。さらに、田中・加藤は阿毘逹磨の修道理論における言語の問題、江島、斉藤、横山、高崎は主に中観派の二諦説・瑜伽行派の三性説の問題、川崎は一切智者と言語の関連、津田、吉田は密教における言語の象徴機能の問題、木村、多田、末木は中国華厳・天台あるいは日本仏教における相即、野問題等を、それぞれ取り上げ、検討を加えた。研究の成果の一部は、本年度中に発表されている。また現在執筆中である。なお研究代表者江島は阿毘達磨文献における阿含経の取り扱いを検討すべく、まだ一部分しか明確になっていない『阿毘達磨大毘婆沙論』中の経典引用を洗い出す作業を行なった。これは言語表現のひとつとしての阿含経を説一切有部がどう位置づけていたかを探るための基礎作業である。 以上のように、研究課題は各研究分担者それぞれによって、追求されており、全体として来年度に向けて集約されつつある。
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