研究課題/領域番号 |
63301005
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
印度哲学
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研究機関 | 大谷大学 |
研究代表者 |
福島 光哉 大谷大学, 文学部, 教授 (70081932)
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研究分担者 |
高木 豊 立正大学, 教養部, 教授 (90062760)
伊藤 秀憲 駒沢大学, 仏教学部, 助教授 (20102684)
井ノ口 泰淳 龍谷大学, 文学部, 教授 (10080988)
和多 秀乗 高野山大学, 文学部, 教授 (00086050)
阿川 文正 大正大学, 仏教学部, 教授 (30054620)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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キーワード | 鎌倉新仏教 / 平安仏教 / 法然 / 親鸞 / 道元 / 栄西 / 日蓮 |
研究概要 |
本研究は、大正新脩大蔵経読諸宗部に収める鎌倉新仏関係典籍における研究調査を行うものであり、大正新脩大蔵経索引作成事業の一環となるものである。鎌倉新仏教は、法然・親鸞による淨土教、道元・栄西による禅、日蓮による法華仏教などに代表されるが、それ以前の仏教や空海・最澄による平安仏教を摂取しつつ、独自の境地を展開したと考えられる。そこで本研究ではそれらの理由によって研究分担課題を設定した。わが国の仏教の展開は、その最初から今日に至るまでに、いくつかの画時代的な特徴を持っていると考えられるが、鎌倉時代初期に成立したいわゆる「新仏教」の台頭はその一つであると考えられる。そこで本研究では鎌倉時代初期をはさんで前後の二つに大きくわけて課題を分担しようと試みた。その結果、鎌倉新仏教成立の背後にある様々な諸事情が浮彫りになってきたのである。また新仏教の中を浄土関係と禅関係と日蓮関係にわけて分担課題を設定したことは、ここの祖師の共通する側面を明らかにするためには有益であったように思われる。本総合研究で明らかとなった鎌倉新仏教成立の背景や、新仏教の祖師の思想本特徴は、簡単に述べることは不可能であるが、新たな問題も提起するであろう。例えぱ、鎌倉時代以前の仏教の中でも画時代的な展開があることが明らかとなった。その代表的な例は、最澄の天台宗と空海の真言宗の成立であると思われる。最澄の大乗戒運動は、真に画時代的なものであると言いうる。ではその画時代的な最澄の流れの中から、なぜ再び鎌倉新仏教が生まれてこなければならなかったのであろうか。この問題はわが国の仏教の本質に迫る課題であると言うことができよう。この他にも今回新たに見い出された問題はいくつも存する。今後の研究課題にしたい。
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