研究課題/領域番号 |
63301006
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
濱井 修 東京大学, 文学部, 教授 (00012360)
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研究分担者 |
中野 敏男 茨城大学, 教養部, 講師 (10198161)
星野 勉 明治学院大学, 一般教育部, 助教授 (90114636)
高幣 秀知 北海道大学, 文学部, 助教授 (00146995)
平田 俊博 山形大学, 教育学部, 助教授 (60113974)
関根 清三 東京大学, 文学部, 助教授 (90179341)
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キーワード | 人格 / 旧約聖書 / 団体形成 / 自-他の間主体的存立 / G・H・ミード / 死の判定基準 / 脳死 |
研究概要 |
1.「人格」概念を、学説史的-理論的に反省・再検討することを通して、問題を発掘する作業としては、各分科会での発表、討議を経て、関根清三、中野敏男、熊野純彦の各論考が公表され、また星野勉の論考が報告され、討議された。関根は、旧約聖書(主に「創世記」「第三イザヤ書」)を、人格論的視角から読み解き、「人格」を「善悪」という宗教的・道徳的価値の帰属主体とする行為の構造を解明した。中野は、「古代ユダヤ教」『法社会学』等におけるM.ウェーバーの社会論および人間論を批判的に検討して、「人格」と「人格」との関係の問題の射程を、「固体形成」の「文化的意義」を問う地点まで拡大しつつ、この関係の法的成立の基底の解明を試みた。熊野は、人格的主体の存立構造論というテーマに、言語の意味の成立基盤を問う問題視角から接近し、自-他の始源的な身体の間に受肉する相貌的-表情的意味が言語の意味の原基であり、自-他の間主体的存立の基底であることを論明した。星野は、G・H・ミードの社会的自我と役割に関する社会心理学的思想に着目しつつ、自己の形成と「一般化された他者」「主体的自我と客体的自我」「機能的に分化した人格」という考えを再検討して、ミードの思想のもつ射程の画定を図った。 2.現代社会の諸領域から提起されている人格論的問題状況のフォロー、デーダースによるレファレンス資料の作成および問題点の集約を、主に森岡正博が担当して、特にバイオエシックスにおける「死の判定基準」ないし脳死の問題、医療行為をめぐる法理論的問題状況を報告し、討議を経て、これらの問題に「生命学」的視角から接近することを試みた著書を公刊した。 3.『ヘーゲル社会思想と現代』の出版企画に、濱井修以下研究分担者7名が参加し、「人格」論、社会論の視角から夫々論考を公表した。
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